ご挨拶

新入生の皆様へ

全国大学生協共済生活協同組合連合会 会長理事 濱田 康行(北海道大学名誉教授)

 私は2015年3月まで私立大学の学長を5年間つとめました。入学式で新入生を迎える、これは大学人にとってなによりの喜びです。そして卒業式で送り出す、このときは喜びと同時に少しホッとした気持ちになります。

 入学した以上は卒業する、これには誰しも異論はない当然でしょう。しかし、実際には大学生の退学率は高い。大学によって開きがありますが、全国平均で3〜8%、なんと数万人の学生がせっかく入った大学をやめてしまうのです。とても残念なことですが、その原因を調べてみると、経済的理由、進路変更、学業不振、そして病気・ケガが主な要因であることがわかります(平成26年度文部科学省「学生の中途退学や休学等の状況について」より)。

 大学生協共済連がおすすめする“学生総合共済”は、上記要因の一つである学生の病気(メンタルなものを含む)やケガ(サークルなどのスポーツ事故を含む)に対応し、2014年度は一年間でおよそ4万件、32億円の共済金をお支払いすることができました。

 一方、自分が加害者になってしまうこともあります。最近多いのが通学途上の自転車で歩行者にケガをさせてしまい、被害者から多額の賠償金が請求されてしまうケースです。このような場合には、あわせておすすめしている学生賠償責任保険で対応しています。

 大学生活といえば楽しい毎日に違いないのですが、そこに潜む不安定要因、つまりリスクも多いのです。しかもそのリスクは多種多様です。これにうまく対応しないと、学生生活を続けられない事態が生じます。学生の退学や休学は教授会に報告されますが、学長として胸が痛むのはこの報告を聞くときでした。“なんとかならなかったか?”、“なんとかしてあげたい”いつもそう思いました。

 大学生協共済連のめざす事はリスクを軽減すること。もちろんすべてのリスクに完全に対応することはできませんが、ひとりでも多くの学生が学生生活を続けられるようにする。そう願っています。

 それを実践するために「保険の仕組み」を使うのです。比較的少額の掛金を学生の皆さんに払っていただき、これをプールして大きなお金にする。それを有効に使って、病気やケガをした仲間にお見舞金を渡すのです。つまり “学生どうしのたすけあい”です。

 学費の実質的な負担者になにかしらの事故があり、そのために経済的な困難に陥るというケースも給付対象に含めています。詳しくは、当会のホームページを見るか、直接、大学生協の共済窓口に聞いてみてください。

 保険なら親が加入している、保険と共済、どこが違うの?よく聞かれる質問です。共済の仕組みは保険と同じですが、“精神”というか“哲学・考え方”が違います。

 保険は保険会社の営利事業で、それは利益を目的としています。民間の損害保険会社のすべては株式会社です。そうなると株主がいて、配当を要求します。共済は協同組合が行うのですから株主はいません。敢えて株主らしき者を探せばそれは生協の組合員ですが、その組合員が共済に加入するのですから、ここでは共済という制度をつくった主体その人が利用者でもあるのです。この違いは様々な面に現われます。そのひとつは掛金の安さです。また、誰よりも大学生活のことを知っていますから保障内容が学生の生活リスクに対応しています。この背景には、先輩たちの知恵や経験が活かされています。他にもいろいろありますが、詳しくは大学内にある生協の共済窓口に聞いてください。できるだけ事故を起こさない、病気にならない、そのためにはどうするのか、様々な啓発活動も大学と協同して実施しています。

 大学生協の“学生総合共済”の特質は、「大学」の二文字にもあります。大学を構成する主要なメンバー、つまり学生組合員が主体となって運営しています。入学した皆さんを、案内のテーブルに誘い共済の説明をしてくれるのは先輩の学生です。先輩から後輩へ、大切なものが伝えられているのです。これは共同体としての大学らしい、民間の保険会社の方々がとても羨ましく思ってくれる光景です。

 新入生の皆さん!そしてまだ共済に加入していない皆さん!ぜひ一度、学内にある大学生協の共済窓口に来てみてください。皆さんの学生生活の安全・安心のための有益な話が聞けると思います。

 1981年に発足した大学生協の“学生総合共済”は多くの先輩達に育てられ、2015年現在、66.9万人の加入者を擁する組織に成長しました。

 皆さんのご加入を、この66.9万人の仲間とともにお待ちしています。

(2015年7月17日)

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