健康&安全のための特別連載コラム

企業責任

北海道大学名誉教授(前北海道大学保健センター長) 武藏 学

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 忙しさにかまけて運動をしなくなり体力の低下を自覚したため、定年退職・再就職を契機に運動を再開することにしました。と言っても自動車通勤から地下鉄通勤に切り替えただけで、通勤時に片道15~20分程ですが、歩こうと考えた次第です。エスカレーターは使わない方針としたため当初は階段が辛かったのですが、慣れてきました。若い学生と同じ駅で乗り降りするのも楽しいものです。一方、自家用車では経験しない不愉快なことも経験します。一つは肩や背中のカバンやバックをぶつけられることです。カバンやバックと周囲の人との距離の正確な把握は困難です。そこで、混雑した場所ではカバンやバックは手に持って欲しいのですが、どうしたらそうなるでしょう?

 もう一つは歩きながらの携帯電話(携帯)の使用です。札幌の道路や地下通路などは広いほうですが、それでもペースが乱れて歩きにくくなることがあります。高齢者の方が必死で歩いていることもありますが、多いのは携帯を使いながら歩いている人の存在です。通勤時間帯は急ぐ人が多いのですから、携帯は歩行者の流れからはずれてサッと済ませ、しっかり歩く方が結局は早いと思います。それに歩きながらの携帯使用は危険です。普段歩いている時には私たちは結構周囲に目を配っています。しかし、携帯に集中していると周囲への注意が疎かになり、とっさのできごとにも対応できません。携帯使用中の歩行者が急ぐ人や自転車と衝突するのを目撃したことも1度や2度ではありません。

 では対策は?個人の自覚、家庭や学校の教育、居合わせた大人のお節介、みんな必要でしょうが、地下鉄構内ではカバンやバックは手に持とうと言う指導は地下鉄の運行主体がするべきではないでしょうか?「席は詰めてすわりましょう」などのアナウンスに加えて、「混雑時にはバックなどは手に持ちましょう」と注意することで利用者の意識は改善すると思います。携帯電話の問題も同様に、販売者が歩行中の使用は止めるようにと携帯を介してキャンペーンを展開すべきで、それが企業責任ということだと私には思われます。

略歴

1975年  4月
北海道大学医学部第三内科で研究
1975年  7月
北海道大学医学部附属病院第三内科 医員
1976年  4月
函館中央病院内科勤務
1977年  5月
東京女子医科大学血液内科 助手
1980年  7月
北海道大学医学部附属病院第三内科 医員
1981年10月
北海道大学医学部附属病院第三内科 助手
1989年  4月
文部省在外研究員(米国サウスカロライナ医科大学)
1991年  4月
北海道大学医学部附属病院第三内科 助手
1993年  4月
北海道大学医学部第三内科 助手
1995年  7月
北海道大学医学部附属病院第三内科 講師
1999年  5月
北海道大学医学部第三内科 助教授
2000年  4月
北海道大学医学部診療所 教授 
北海道大学保健管理センター所長(併任)
2010年  4月
北海道大学保健センター長、教授
2013年  4月
天使大学看護栄養学部栄養学科 教授 
北海道大学名誉教授

資格

1975年  6月
医師免許証取得(第225429号)
1989年  6月
医学博士(北海道大学)第3583号
2004年  1月
日本医師会認定産業医

受賞

1975年
第7回癌集学的治療財団助成 
「Interferon-αとポリアミン合成酵素阻害剤 α-Difluoromethylornithineの併用による抗腫瘍効果」
1989年
第13回寿原記念財団助成 「造血幹細胞の増殖と細胞死における蛋白質リン酸化酵素の役割」

所属学会

日本内科学会1、2、日本血液学会1、2、3、日本癌学会、日本臨床腫瘍学会1、死の臨床研究会北海道地方部会常任世話人、全国大学保健管理協会4(1:認定医、2:指導医、3:評議員、4:理事)

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