健康便り

6月の健康便り

自転車事故にあってしまったら・・・ —健康—

雨の多い季節となりました。自転車を利用する人にとっては悩ましい時期ですね。学生生活無料健康相談テレフォンには「自転車に乗っていたら、道路が濡れていて転倒してしまった。ケガの対処法を知りたい。」「自転車事故を起こした後、頭痛や気持ち悪さが続く。どうしたらよいか。」といった相談が入ります。

自転車事故はその8割以上が対自動車です。そのため大ケガや死亡など重大事故につながることが多々あります。事故当時には軽いと思われていたケガでも、あとから頭痛や吐き気などの症状が治まらず、悩まされる人が少なくありません。

交通事故で起こりやすい怪我のひとつが頚椎捻挫、いわゆるむちうち症です。これは事故の衝撃で首がむちのようにしなり、それにつれて重い頭が強く振られるために起こるくびの骨(頚椎)の関節損傷です。人により症状の感じ方は違いますが、早ければ事故直後から、遅くても翌日ごろには症状が現れることが多いようです。もっとも多い症状はうなじの痛みや熱感、頭重感、悪心、肩こりなどですが、そのほかにも背中や腕の痛み、痺れ、脱力感、めまい、耳鳴り、腰痛などを感じることもあります。ケガをした直後は頚部の固定や安静を保つことが大切です。

治療を続けていてもなかなか症状が治まらない難治性のむちうち症の場合、脳脊髄液減少症と呼ばれる疾患と関連がある可能性が指摘されています。脳脊髄液減少症は脳と脊髄を循環する脳脊髄液が外傷などで漏れ出すことにより起こる疾患です。頭痛や吐き気、頚部痛、めまい、耳鳴り、倦怠感など様々な不調を引き起こします。十分な安静や水分補給を行い、改善がないときには患者さん自身の血液を注入し漏れている部分を塞ぐブラッドパッチ療法が行われることもあります。むちうち症と脳脊髄液減少症との関連はまだはっきりわかっていませんが、症状が続くときは脳脊髄液減少症などの可能性も視野に入れ、脳神経外科に相談するのも一つの方法です。

いずれにしても怪我をした後の対応が大切になります。もし事故にあってしまったら大したことがないからと済ませず、必ず整形外科などを受診するようにしてください。相手に怪我をさせてしまった場合でも同様です。また、警察へ連絡し交通事故証明書を発行してもらう、病院で診断書を取る、事故の相手の名前・住所・連絡先を確認するなど事後処理はきちんとしましょう。
そしてなにより、傘差し運転はしない、携帯電話などでのながら運転はしないなど交通ルールを守り、事故を起こさないように気をつけましょう。

≪ 参考HP ≫

ポジティブすぎるのも考えもの —メンタル—

物事をポジティブに考えられる人は心の健康度が高いような気がします。確かにクヨクヨしているより、「さあ次だ」と考える方が生産的な感じがします。でも、なんでもそんなにサクサク進めてよいものでしょうか。

3年生のCさんはテニスサークルの幹事長。面白いイベントを次々と思いつく発想力と、それをすぐに実行に移す行動力で、みんなの信頼を得ています。また、D子さんとはサークル公認のカップルです。頼られるリーダーであり、彼女もいる順風満帆なキャンパス・ライフを送っています。ところが最近、CさんとD子さんが別れたことがわかりました。二人の親友がD子さんから聞いたところによると、そろそろ就職活動のことが心配だと言うD子さんに、Cさんは「大丈夫、心配したって始まらないよ」と言って取り合わなかったそうです。「いつもそうだった。私が泣いていたって、『気晴らししよう!』って遊びに行くだけ…」とD子さん。
Cさんはというと、別れた後もイベントを企画し、楽しいサークルを追求し続けています。むしろD子さんがいなくなって、肩の荷が下りたとでもいうかのように。見兼ねた友達が「無理するな、本当はつらいんだろ」と声をかけても、「大丈夫、つらい時こそ楽しいことを考えなきゃ!おれには幹事長の責任があるしね」とあくまで前向きなCさん。逆にいつまでも落ち込んでいるD子さんを「上級生としてしっかりしなきゃ」と注意します。

さて、学生生活無料健康相談テレホンに電話をかけてきたのはD子さんの方でした。「彼はあんなに前向きなのに、私は落ち込んだまま。私は心が弱いんでしょうか」と電話口で涙をこぼしました。カウンセラーは、「Cさんは悲しみに耐えられないから楽しい気分に浸っているのかも。悲しいことを悲しめるのは、心の強さでもある」と説明しました。D子さんは薄々感じていた疑問に答えをもらった感じがして、「彼はひどいですよね」とやっと自分の気持ちが言えました。それと同時に、Cさんに遊びに連れて行ってもらって元気が出たこともあったと思い出し、あらためてCさんと別れた悲しみも感じました。
D子さんは次第に落ち着きを取り戻し、Cさんの企画したイベントにも参加できるようになりました。妙に気を遣うCさんに、D子さんは「Cさんも内心別れたこと気にしてるのね」と思いながら、「いつも楽しいイベントありがとう」と大人の対応。そんなとき、Cさんは突然「就職活動に専念する」と言って幹事長を後輩に譲り、サークルには来なくなってしまいました。Cさんだって本当は就職活動のことが心配だったのです。

なんでもポジティブに考えることは、大事なことを考えないということでもあります。それは経験から学ぶという大切な機会を犠牲にしているのかもしれません。

※上記事例は、「学生生活無料健康相談テレホン」の複数の相談例に基づいて創作した架空の事例です。

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