健康便り

8月の健康便り

体のリズムを大切に —健康—

深夜まで忙しく、ストレスフルな現代では、人間が持っている生体リズムが崩れ、体がうまく対応できないことが少なくありません。学生生活無料健康相談テレホンには、「夜遅くまでアルバイトをしていたら、夜寝つけなくなってしまった」、「毎月生理前になると体調が悪くなり、予定がこなせなくて困る」といった相談が入ります。

人間の体には、さまざまなリズムがあります。深い睡眠と浅い睡眠を繰り返す睡眠リズム、朝は低く、日中次第に上昇し、夕方に最も高くなる体温リズム、女性におよそ1ヵ月の周期で訪れる月経周期などはよく知られています。これらは人間の体に組み込まれたリズムです。このリズムの中で私達は眠ったり活動したりしています。
ところが、この生体リズムが崩れると、体の機能がうまく働かず、不眠、倦怠感、頭痛といった不快な症状が出たり、月経痛など、もともとあった症状がひどくなったりすることがあります。場合によっては昼夜逆転や、体がだるくて通学できないなど、生活に支障をきたすこともあります。
原因としては忙しさによる不規則な生活やストレスの他、夜間のコンビニエンスストアや繁華街の照明、テレビやパソコン、スマートフォンのディスプレイの強い光にさらされることなどが考えられます。生体リズムを調整している体内時計が日没後強い光を浴びることで狂ってしまうのです。
病気でもないのになんだか調子が悪いと感じるときは、生体リズムを崩すようなことをしていないか振り返って見ましょう。睡眠は夜、眠るべき時間帯にとれていますか? 食事は朝・昼・夕にとっていますか? 寝る直前までパソコンに向かったりしていませんか?
こういったことを確認してみると不調の原因が見えてくるかもしれません。不調を感じたら、まずは睡眠と食事を整えてみましょう。夜、ぬるめのお風呂につかり、軽くストレッチをしてリラックスする、入浴後は神経を刺激するパソコンやスマートフォンは見ない、間接照明や暗めの照明で過ごし強い光を浴びない、などといった工夫で夜の寝つきがよくなります。忙しくてきちんと食事がとれないときは、合間をみておにぎりやサンドイッチなどを口に入れておきましょう。月経前後に体調が悪くなる女性の方は、その時期に用事をなるべく入れず、ゆっくり過ごすよう心がけるなど、月経周期を見越した予定にしておくと楽に過ごせます。

体のリズムは誰でも予測可能なものです。自分のリズムを知り、それを乱さない生活を心がけることで、より快調に過ごせるようになります。
また、年をとると体の機能が低下したり体力が落ちたりします。これも誰にでも起こる予測できる変化です。自分に起こる体の変化を知り、規則正しい生活で体調を整え、運動習慣で体力をつけるなどして、先々の変化に対応できるよう準備しておきましょう。

大学の授業は甘くない? —メンタル—

「大学全入時代」といわれます。希望する進路に進める機会が増えることは、受験生にとってはよい面もあるかもしれません。しかし、入試形態の多様化などにより、学力による選抜を十分に受けずに大学に入学するケースも増えているようです。

Fさんもそのような学生の一人です。高校での学業成績はクラスの真ん中に届くかどうかというところでした。しかし、礼儀正しさや地元商店街のゴミ拾いなどのボランティア活動を評価されて、地元の私立大学の推薦入試に合格しました。「自分の成績では大学は無理かな」と、なかば諦めていたFさんは大変喜びました。
ところが、入学後まもなく、Fさんは大学の講義が難しくてついていけないと感じるようになりました。理論や概念の複雑さということ以前に、先生の使う言葉が難しすぎるのです。高校のときは、隣の席のクラスメイトに聞けば済むこともありましたし、職員室に行けば先生が丁寧に教えてくれました。それが大学では、隣に知らない人が座っていることが多いですし、先生も非常勤のため後で聞きに行くこともできません。

もともと真面目なFさんは、努力してもできない自分に落ち込み、大学に行くのが怖くなって、遊ぶこともなくなりました。心配した家族が心療内科に連れて行くと、経緯を聞いた医師は、「Fさんは力を発揮できないところに行ってしまったかもしれないね。何がFさんに向いているか検査をして調べてみない?」と勧めました。Fさんが受けたのはWAIS-Ⅲという知能検査です。高校生くらいから高齢者までの知的機能を詳しく測ることができます。その結果、FさんのIQ(知能指数)は「平均の下」で、とくに言葉を使いこなしたり、一度にたくさんのことを覚えたりすることが苦手だということがわかりました。日常会話は問題ありませんが、聞き慣れない言葉や抽象的な話が出てくると、もうお手上げだったのです。一方、周りをよく見てテキパキ動くことはできるということもわかりました。 Fさんはこの結果について、医師とよく話し合い、悩んだ末、大学は辞めることに決めました。大学生でなくなるのはつらいことでしたが、「やはり自分にはちょっと背伸びだったかな」と思ったのです。それより、自分の真面目さを活かして、大好きな地元商店街のために働きたいと思うようになりました。商店街でも評判のよかったFさんです。「うちで働かないか」と言ってくれるお店がすぐに現れました。今ではFさんに笑顔が戻りました。

チャンスが広がったとはいえ、大学は学問をするところです。すべての人が学問に向いているわけではありませんし、学問以外の道もたくさんあります。どんな道なら自分に向いているのかと悩んでいる学生に対するサポート体制の確立も望まれるところです。なにより、学生自身が自分の得意なことや苦手なことに気づかないまま、自信をなくしてしまうことがないよう願っています。

※上記事例は、「学生生活無料健康相談テレホン」の複数の相談例に基づいて創作した架空の事例です。

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