健康便り

9月の健康便り

これって性感染症? —健康—

 花子さんの友人B子さんがなんだか浮かない顔。最近彼氏ができて楽しそうだったのにどうしたんだろう〜? 花子さんが聞くと「実は…」と言いづらそうに話してくれました。B子さん、性交渉の後から陰部がかゆくなってしまったんだそうです。「花子〜、どうしよ〜。かゆいし恥ずかしいし、彼にも言えないよ〜」

 B子さん、お気の毒でしたね。性感染症は性的接触を介して誰もが感染する可能性があります。特に性器クラミジアや淋菌感染症は若者に多い感染症。代表的な性感染症と症状について知っておきましょう。

淋菌感染症
男性は尿道から膿が出る、排尿時激しい痛みがある、精巣が腫れて熱が出るなど。女性は外陰部のかゆみ、おりものの増加や悪臭、下腹部の軽い痛みなど。
性器クラミジア感染症
男性は尿道炎、排尿時の痛み、尿道からの膿、かゆみなど。
女性は多くは無症状だが透明なおりものの増加や軽い下腹部の痛みなどあることも。
性器ヘルペス
かゆみ、発熱、倦怠感など。痛みを伴う小さい水泡やただれなどが
男性は陰茎の包皮や亀頭部、女性は外陰部や子宮頚部などに出現する。
尖圭コンジローマ
男性では亀頭部や陰嚢、女性は外陰部や膣、子宮口などに、イボができて鶏のとさかのようになる。
肛門及び周辺部、尿道口にできることもある。
梅毒
細菌が侵入した場所に痛みのない硬いしこりができ、その周囲が盛り上がって中心がただれる。
治療しなくても症状は2〜3週間で消えるが、病原体は全身に広がり、その後も様々な症状を引き起こす。

 性感染症を放置しておくと男女ともに不妊の原因となることがあります。妊娠中は早期流産の原因に、分娩時は胎児に感染させてしまうこともあります。性感染症が疑われる症状がある場合は早めに婦人科や泌尿器科を受診しましょう。再感染を防ぐために、性感染症はパートナーと一緒に治療を受けることが大切です。保健所なら原則無料、匿名で受けられる検査もあります。性感染症は無症状であることが多いので本人が気づかないうちに感染していることもあります。パートナーにうつさない、うつされないためには、コンドームの使用が有効です。

 「受診なんて恥ずかしくて無理」そう思っていたB 子さん。思い切って彼に相談してみました。彼もしばらく悩んだようですが、一緒に受診することになったそうです。
「真剣に考えてくれて、かえって二人の仲が深まった気がする。」とはB子さんの弁。ちょっぴりうらやましい花子さんです。

私もあなたも大切に —メンタル—

 漫画研究会に打ち込んでいる次郎さん。画力向上のための参考資料として、人気絵師のイラスト集を買い込もうと、飲食店でアルバイトを始めることにしました。実は次郎さん、これまで働いたことがありません。とにかくみんなに迷惑をかけないようにしようと、頼まれた仕事は決して断らずに頑張り続けました。

 次郎さんのお父さんは、いつも「与えられた仕事は断ってはいかん! 最後まで責任をもってやり切れ!」と言っていました。確かに頼まれた仕事を断らずにやると、店長やみんなは喜んでくれます。“働くというのは、こういうことなんだろうな”次郎さんはそんなふうに思いながらバイトに励んでいました。しかし、断らないでいるとシフトの日数は増えていき、ついには絵を描く時間が無くなるほど忙しくなってしまいました。

「仕事は断りたくない…。でもシフトがこんなに増えてしまったら自分の時間が無くなっちゃうよ…」

 これは、社会に出れば誰しもがぶつかるであろう葛藤のひとつですね。では、どこに無理があるのか立ち止まって考えてみることにしましょう。

 当たり前の話ですが、人が他人と生きていくためにはルールが必要です。なぜかというと、ルールがないとお互いに気持ちよく生活ができないからです。多くのルールは習慣化され、社会常識のようになっています。私たちはそれを無意識のうちに受け入れていますが、振り返って考えると、社会常識の根底には「お互いに気持ちよく生活したい」という生きるための関心が潜んでいるわけですね。
では、次郎さんが大事にしている「与えられた仕事は断らない」という態度はどうでしょうか。社会的責任という視点からであれば、与えられた仕事は断らないほうが良いと言えるでしょう。波風は立たないですし、店長も頭を悩まさずに済みます。相手を立てることを良しとする日本文化の中では、こうした態度が常識とされている傾向がありそうです。しかし、断らずに仕事をしていれば、次郎さんの負担が増えてしまいます。「絵がうまくなりたい!」という、そもそもの目標を抑え込んでしまうことにもなります。自分を抑え込むわけですからストレスも溜まるでしょう。このままでは「なんで僕ばっかり!」と、逆ギレしてしまうかもしれません。
こう考えると、「仕事は断らない」という態度は、自分を抑え込んで相手を立て過ぎてしまう、偏った態度だということがわかります。これだと、「お互いに気持ちよく生活したい」という生きるための関心から離れてしまいますね。

 さて、今までの態度をよく考えなおしてみた次郎さん。店長に面談の機会を作ってもらい、勇気を出して「サークルも大切にしたいからシフトの日数を減らしてもらえないだろうか」と交渉してみました。どうやら希望通りとはいかなかったようですが、少し日数を減らしてくれることとなりました。自分も相手も尊重しながら生活をすることは大変なことです。社会に出て仕事をするとなればなおさらです。今回はちょっと忙しくなりすぎたようだけど、よい経験ができたみたいですね。さて、バイト代が出たら、さっそくイラスト集を買いに行こう!

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