健康便り

12月の健康便り

ノロウイルスにかからないために —健康—

 次郎さんにランチに誘われ、ウキウキの花子さん。どこのお店がいいかな~と調べていると、突然電話が鳴りました。電話の相手はお母さん。「お父さんがノロウイルスで下痢になっちゃった。あなたも気をつけて~」長々続くお母さんの話を聞きながら、花子さんは「もし学校でノロウイルスが流行ったら、どうしたらいいのかな」と考えていました。

 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒が特に流行するのは冬です。手指についたウイルスが口から入る、ウイルスに汚染された食品を食べるなどして感染します。ワクチンによる予防ができないので、まずは手洗いや食品の十分な加熱などの予防がとても重要です。また、感染者の吐物や便には大量のウイルスが含まれています。家族や友人が感染し、嘔吐などがあった場合は、適切な処理で感染を広げないことが大切になります。
 ノロウイルスに対してはアルコールによる消毒では十分ではありません。市販されているハイターなどの塩素系消毒薬(次亜塩素酸ナトリウム)による消毒が有効です。十分な加熱も有効と考えられています。今回は周囲でノロウイルス患者が出た場合に感染しない、感染を広げないための対応をご紹介します。

  • 手:石けんでよく洗い、流水で十分に流して、清潔なタオルやペーパータオルなどで拭く。石けんは消毒の効果はないが、ウイルスを手指からはがれやすくする効果がある。
  • ドアノブ・日用品など:消毒薬で浸すようにしてペーパータオルなどで拭く。塩素系消毒薬は金属腐食性があるので、金属を消毒した後は薬剤を十分に拭き取る。
  • 感染者の嘔吐があった場合:準備なく素手で処理しない。処理する場合は、使い捨てのマスク、手袋、エプロンを着用し、適正な濃度に薄めた次亜塩素酸ナトリウムによる消毒と十分な換気を行う。吐物がついた衣類などは廃棄が望ましい。煮沸消毒も有効。
  • 感染者が利用したリネン・布団類など:廃棄が望ましい。煮沸消毒も有効。煮沸の際はしぶきを吸い込まないよう注意する。布団など、洗濯できない場合は屋外で日光に当てよく乾燥させる。スチームアイロンで十分加熱するのも効果的。

 一人暮らしでは自分が感染症にかからないことが大切です。そのためにも感染しない、感染を広げないための正しい知識を持ちましょう。花子さん、冬を元気に過ごして、次郎さんとのランチを楽しんでくださいね。

その人らしい生き方ってなんだろう? —メンタル—

 「いったい僕は、将来どんな仕事に就くんだろう?どんな人生を送るんだろう?」

 ふとしたときに考えてしまうのは、将来に対することです。大学に入学して後期に入りましたが、次郎さんは未だに将来のことが思い描けずにいます。お父さんからは「人生の目標を持て」とどやされるし、将来の夢を語る友人たちの姿を見ていると、なんだかこのままで大丈夫なのかなぁと、だんだん不安になってきます。

 そんな中、先日テレビで興味深い特集がありました。それは、家庭に入って、専業主夫として働く男性についての特集です。その男性は、仕事は妻に任せて、子育てや家事など、家庭の仕事を一手に引き受けていました。次郎さんにとっては衝撃的でした。なぜなら、次郎さんの家族は、お父さんはバリバリの営業マン、お母さんは夫を支える専業主婦として家のことをしてきたからです。それが普通だと思っていたのに…。「そういえば、花子さんは将来起業して、会社経営がしたいって言ってたな。大胆な夢だなぁって思っていたけど、“男は仕事、女は家庭”が普通じゃないのかな?」

 悩んでばかりの次郎さんですが、今回は大切なことに気づきましたね。確かに、“男は仕事、女は家庭”という価値観が普通だった時期があったかもしれません。しかし、そうした価値観は時代や文化に対して相対的なものです。ある時代の特定の文化の中では通用するかもしれませんが、「いつでも・どこでも・誰にでも」通用する価値観とは言えないでしょう。では、「いつでも・どこでも・誰にでも」必要な価値観とはなんでしょうか?
 それは人権です。日本国憲法には幸福追求権や平等権、自由権や社会権など、さまざまな権利が規定されています。もし、この権利が奪われてしまったら、人はその人らしい生活を送れなくなってしまいます。男性だから、女性だからという考えに従って自分や他人の人生を決めてしまったら、男女平等の原則に背いてしまいますし、その人らしい生き方を奪い取ることにもなってしまうのです。人権は、法律で定められているからといって、すぐさま達成されるものではありません。人がお互いの権利を尊重しあい、守り育てていく中で、初めて達成されるものです。

 「そうだ! 花子さんをランチに誘ったときに、彼女の会社の経営者になりたいっていう夢をもっと聞いてみよう!」
 そうですね。花子さんには花子さんらしい人生を生きる権利があるわけですし、彼女の夢を応援することは、人権を尊重することにもなるでしょう。もっとも、次郎さんは単に花子さんと仲良くなりたいだけかもしれませんが…。

 12月4日から人権週間が始まります。人権に関するさまざまな啓発活動も行われますので、この機会に人権について考えてみるのもよいかもしれませんね。

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