健康便り

7月の健康便り

安全に海外旅行を楽しむために —健康—

 花子さんのお父さんは大のスポーツ観戦好き。今回は特にひいきにしている選手がいるらしく、何とかしてオリンピック観戦ツアーに行きたいと張り切っています。でも、今年のオリンピックは地球の裏側、ブラジル。昨年から話題になっているジカウイルス感染症やデング熱も心配だし、知らない病気もありそう。お父さん、大丈夫かなぁ。

 そろそろ夏休みです。休みを利用して海外旅行を計画している人もいるかもしれませんね。世界には日本で馴染みのない病気がたくさんありますが、知識があれば防げることもあります。事前に旅先の情報を集め、予防接種など、できる予防はしておくようにしましょう。万が一病気になったときのために海外旅行保険に入っておくことも大切です。病気になったときに相談でき、医療機関の紹介や予約などをしてくれます。サービス内容は保険会社によって異なるので内容や利用方法をよく確認しておきましょう。

 インターネット上には様々な情報があふれています。外務省、厚生労働省などの公的機関の情報を参考にするとよいでしょう。

MOFA 外務省 海外安全ホームページ
http://www.anzen.mofa.go.jp/
各国の危険情報、安全の手引き、医療事情など
厚生労働省検疫所FORTH 海外で健康に過ごすために
http://www.forth.go.jp/
旅行前の準備で必要なことや旅行中の注意点、感染症情報、旅行後の健康チェック、予防接種を受けられる医療機関情報など
厚生労働省 感染症情報
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/index.html

 花子さんはお父さんと一緒にブラジルについて調べてみました。ウイルス性肝炎などが1年を通して発生していること、加熱が不十分な魚介類を食べることで寄生虫に感染することがあること、水が安全ではないことなどがわかりました。
 蚊に刺されて感染するジカウイルス感染症に十分注意するよう外務省から注意が出ているし、デング熱も毎年流行しています。黄熱などいくつかの予防接種も推奨されています。

 花子さんは、以前タイに行ったときに相談したトラベルクリニックの受診をお父さんに勧めました。旅行代金やチケット入手のことで頭がいっぱいだったお父さんも、花子さんと一緒に現地の様子を知ることで、「準備なしで行くのは危険だ」という気持ちになってくれたようです。病気やケガをしてしまっては楽しい旅行が台無しです。備えあれば憂いなし。安全な心に残る旅になるといいですね。

思考と感情のメカニズム —メンタル—

 次郎さんは2年生になって、専門分野のゼミに入りました。そのゼミには学生の他に、Kさんという助手の男性がいます。Kさんは初めてのゼミで緊張していた次郎さんに、受講票の書き方を分かりやすく教えてくれました。誰にでも親切で、教授の信頼も厚く、頼りになる兄貴的な存在です。夏休みのゼミ合宿の準備で、講義以外にもKさんと話す機会が多くなった次郎さんは、Kさんの「それ、いいね」と「ありがとう」という口癖に気がつきました。
 Kさんが他の人の言葉を否定することは、ほとんどありません。どんな意見もまずは受け止めて、「それ、いいね」と言ってくれます。そのうえで自分の意見を言ったり、別の考え方を話してくれたりします。年下の学生にも必ず「ありがとう」と丁寧にお礼を言ってくれるので、とても嬉しい気持ちになります。
 次郎さんは自分と相手の考えが違った時、「それって、おかしくない?」とすぐに思ってしまいます。相手の考えが理解できても、意地を張って意見を曲げないこともあり、「僕って、心が狭いよな…」と自己嫌悪に陥ることもしばしば。感謝の気持ちがあっても、てれくさくて「ありがとう」と素直に言えない時もあります。

 授業後、次郎さんがゼミ室に行くと、「どうして、そんなに優しいんですか?」「嫌いな人とか、嫌なことってあるんですか?」「落ち込んだとき、どうするんですか?」とKさんが女子学生達からの質問攻撃を受けている最中でした。Kさんは困りながらも、いつもと変わらない丁寧な言葉で、質問に答えてくれました。
 Kさんは浪人中に予備校の先生から、思考と感情のメカニズムについて、面白い話を聞いたそうです。「人はいつも何かを考えており、その考えていることが感情や気持ちというかたちで、自分に戻ってくる。今感じていることは、今この瞬間の自分の思考の結果であり、思考は常に感情を生み出すのだ」と。何もかもうまくいかず苦しんでいたKさんは、「肯定的な思考をすれば、肯定的な感情が生まれるのではないか」と考え、実験を始めました。
 相手の考えや意見を、まずは肯定的に受け止めてみると、確かに肯定的な気持ちになる。自分のことも否定したり責めたりせずに、「自分らしくて、いいじゃないか」と肯定的に考えると、ダメだと思っていたのに自信が持てるようになった。続けているうちに肯定的に考える癖がついてきたみたいで、いつも落ち着いた気持ちでいられるようになった。周りの人のことも大切に思えるようになって、感謝の気持ちが自然と湧いてくるようになった。もちろん今でも、嫌なことはたくさんあるけど、その感情を生みだしているメカニズムが自分の思考だと分かっているので、切りかえることができるようになった…。

 にわかに信じられない話ですが、Kさんが言うなら、その実験をやってみようと次郎さんは素直に思いました。そして、「それ、いいね」と「ありがとう」が僕の口癖になったら…、花子さんとの距離ももう少し近づくかもしれないな! と嬉しい気持ちになっていました。

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