健康便り

2月の健康便り

急な腹痛、どうしよう —健康—

 天気の良い日曜日、花子さんは次郎さんに誘われ遊園地に遊びに行きました。ジェットコースター大好きの花子さん、何に乗ろうかな〜と考えていると…。突然、一緒にいた次郎さんがお腹を押さえました。顔を見ると、顔は真っ青。とても辛そうです。どうしよう。

 「大学生協の保障制度から見た大学生の病気・ケガ・事故2015年度版」によると、共済金支払いのうち、病気入院で多いのは消化器系疾患・呼吸器系疾患。そのうち消化器系疾患で多いのは歯の発育および萌出異常、急性虫垂炎、胃腸炎などです。次郎さんの急な腹痛はもしかしたら急性虫垂炎? 今回は急性虫垂炎について取り上げます。

 急性虫垂炎は俗に盲腸(盲腸炎)と言われますが、実は右下腹部にある盲腸の先についている虫垂という部分の炎症です。人間の虫垂は退化しており、免疫にかかわる器官だとも言われていますがほとんど何の働きもしていません。
 症状としては、初めはへそやみぞおちのあたりが痛みますが、化膿してくると痛みは徐々にひどくなり、多くは右下腹部に痛みが移ってきます。発熱や食欲不振、吐き気やおう吐などの症状を伴うこともあります。
 炎症が軽い場合は抗生物質の投与により治療することができますが、症状が進むと手術が必要になります。特に虫垂が破裂するとたまった膿が腹腔内に散らばり、化膿性腹膜炎を併発するなどの危険性があるため、手術を行う時は診断がついたその日、緊急的に行われるのが一般的です。
 発症初期であれば手術も困難ではありませんが、放置すると手術も難しくなり重篤な状態になる可能性があります。強い腹痛の時は無理せず、早めに外科や消化器科を受診しましょう。

 次郎さんの急変に困った花子さん。次郎さんをベンチに休ませ、学生生活無料健康相談テレホンに電話をかけました。以前相談をしたことがあり、電話番号を登録していたのです。そこで、遊園地であれば医務室があることが多く、病院を案内してもらったり救急車を呼んでもらったりできる、スタッフに声をかければ対応してもらえるなどのアドバイスをもらいました。気が動転していた花子さんでしたが、相談をしたことで少し気持ちを落ち着かせることができました。早速、近くのスタッフに声をかけ、動けない次郎さんのために救急車を呼んでもらうことになったようです。早く良くなるといいですね。

 とっさのときには相談相手がいると安心できます。共済に加入されている方はお守り代わりに、ぜひ学生生活無料健康相談テレホンの電話番号をスマートフォンに登録しておいてください。被共済者番号を聞かれるので、そちらのメモもお忘れなく。

承認欲求について —メンタル—

 久しぶりに部室でのんびり漫画を描いている次郎さん。その隣で後輩のW君がスマートフォンと格闘しています。「さっきから、何してるの?」と次郎さんが声をかけると、LINEの返信、FacebookやTwitterへの“いいね!”や“コメント”をやり続けているというのです。「結構、“友だち”が多いんですよ。まめにやらないと僕もスルーされちゃいますからね。でも…、結構、疲れます」とW君は最近の悩みを次郎さんに話し始めました。

 大学に入って交友関係も広がり、SNSでの“友だち”も増えたW君。最近、他人の目が気になったり、嫌われたくないという気持ちが強くなったりして、みんなに“いい顔”をしなければいけないと思うようになったとのこと。「相手からのリアクションがないと不安になるし、顔を合わせても話が盛り上がらないと、自分が悪いんじゃないか? と思ってしまうんです」と深刻な表情で話すW君のことが、次郎さんも心配になってしまいました。

 広く浅いつながりはあるけれど他人に本当の自分を出すのが怖い、誰かに認めてもらえないと自分の存在価値も分からない…。こういう悩みは多くの人のなかにもあるかもしれません。
 人は誰でも他者から認められたい、尊敬されたいと思っています。このような感情を“承認欲求”といい、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱する「欲求の5段階説」では、5つの欲求(生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求)のうち4番目の欲求に位置付けられています。
 承認欲求には、W君のように他人から認められたいという“他者承認”と呼ばれるものと、今の自分に満足しているか、自分自身を認めているかという基準で判断する“自己承認”と呼ばれるものがあります。他者承認を求める気持ちは誰にでもある健全なものですが、それが強くなりすぎると精神的なバランスを崩してしまう可能性もあります。

 「僕はW君ほど友だちも多くないし、周りの人にすごく認めてほしいと思わないけど、言いたいことはよく分かるよ。たださ、いつもいつも認めてくれる人を見つけるのは大変だよね。だったら自分で自分に“いいね!”押したらいいんじゃない?」と次郎さんがつぶやきました。次郎さんの言葉は必要以上に他者からの承認を求めない、最も簡単な“自己承認”の方法といえるでしょう。「先輩、面白いこと言いますね! それなら即リアクションできるし、確実に“いいね!”がつきますね」と、大笑いしながら答えるW君。元気が戻ったW君の様子を見て、次郎さんもホッと胸をなでおろしました。

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