健康便り

12月の健康便り

お酒の飲み方には気を付けて! —健康—

 寒さも増してきたある日、花子さんは友人の川島君に呼ばれて居酒屋に行きました。次郎さんが一人でやけ酒を飲んでいるというのです。実は次郎さん、美咲さんに振られてしまいました。落ち込む次郎さんは何も食べず、黙ったままビールをあおっています。ほとんどイッキ飲みです。花子さんは、急性アルコール中毒の学生が亡くなったという先日見たニュースを思い出しました。次郎さん、そんな飲み方で大丈夫?

 クリスマス、年末年始と宴会やパーティーの多い時期です。しかし、楽しい飲み会も寂しい一人飲みも、アルコールの飲み方を誤れば体調を崩し、時には命まで落としかねません。学生の中には飲酒経験が少ないため自分の適量が分からず、勢いに任せた無謀な飲酒をする人がいます。また、吐いたり、酔いつぶれたりするまで飲ませようとする危険な飲み会もあるようです。東京消防庁の発表によると、平成22年からの5年間でアルコール中毒により搬送される人は徐々に増えています。特に20歳代で、イベントの多い12月の搬送が多いとのこと。酔いつぶれたまま放っておかれ、様子がおかしいのに救急車が呼ばれず命を落とす人もいます。各自が節度ある飲酒を心がけるようにしましょう。

<お酒を飲むときに自分で気を付けること>

  • 自分の適量を知り、その日の体調に注意する
  • つまみを食べながら、ゆっくり飲む
  • 強い酒は薄めて飲む
  • アルコールが飲めない人は、飲めないことを周囲に前もって伝えておく

<みんなで気を付けたいこと>

  • アルコールハラスメントをなくす
    (アルコールハラスメントとは、飲酒、イッキ飲みの強要、わざと酔いつぶす、アルコールしか用意しない、酔ってからむ、などの迷惑行為のこと)
  • 酔いつぶれた人を一人にしない
  • 吐くまで飲ませない(吐く人がいたら、吐物がのどに詰まらないよう注意を)

 かつては酔いつぶれるのは男性が主でしたが、最近では女性も例外ではありません。近年も男性が女性を泥酔させて暴行する事件などの報道がありました。自分の命や安全を守るためにも飲み過ぎには要注意です。当然ですが未成年者、車の運転者も飲んではいけません。

 花子さんはそっと次郎さんの隣に座り、ビールの代わりにウーロン茶を置きました。次郎さんがいつも頼む冷奴も添えて。黙って冷奴を口に運ぶ次郎さんの隣で、花子さんも黙って一口ウーロン茶をすすりました。

失恋の痛手 —メンタル—

 「ごめんなさい。私、次郎さんとは行けない。ずっと感じていたけど、次郎さんは私のことを好きじゃないと思う。こうして二人で会うのも、これで最後にしましょう」

 あまりにも予想外な言葉を美咲さんが口にしたので、次郎さんは戸惑い、言葉を失ってしまいました。
 夏の花火大会から美咲さんと次郎さんは、授業を一緒に受け、何度かデートを重ねてきました。二人の時はいつも楽しそうにしていた美咲さん。当然クリスマスのデートにも来てくれるものだと思って誘ったのです。

 どうして美咲さんに振られてしまったのか。次郎さんは理由がわかりませんでした。そして、今回のことは、なぜか花子さんに相談してはいけない気がして、しばらくの間、次郎さんは一人で悶々とすることしかできませんでした。

 美咲さんに振られて数日後、どうしても気を紛らわすことのできない次郎さんは、親友の川島君がバイトする居酒屋で、一人慣れないお酒を飲んでいました。「どうして振られたんだろう。嫌われないように注意していたのに」と次郎さんは同じことばかり考えてしまいます。次郎さんの何がいけなかったのでしょう。

 青年期に直面する心理学的な課題の一つに「親密性の獲得」があります。これは、「自分を過度に抑えたり、相手を支配したりすることなく、自分も相手も尊重した人間関係を築けるようになる」という目標です。こうした関係を築くことができないと「孤独」を感じてしまうとされています。

 次郎さんは、憧れの美咲さんと一緒にいられる状況を維持しようと、自分を抑えて美咲さんのことを優先して付き合っていました。美咲さんを大切に思えば思うほど、次郎さんと同じように親密な関係を築こうとしていた美咲さんに「孤独」を感じさせてしまい、今回の別れにつながったのかもしれません。

 「次郎さん、珍しいね、そんなにお酒を飲むなんて」
 川島君から次郎さんがやけ酒を飲んでいることを聞いた花子さんが、次郎さんの様子を見に居酒屋へやって来ました。
 次郎さんは花子さんに今の気持ちを、素直に打ち明けることができました。いつも情けない自分を認めてくれる花子さんといると、次郎さんも安心して話すことができるのです。
 「そうやって気遣いができる次郎さんの優しいところも私は好きだけどな」と話を聞いた花子さんが、そう言って励ましてくれました。
 花子さんの声が少し震え、顔がほんのり赤かった理由は、まだわからない次郎さんでした。

ページの先頭へ