健康便り

1月の健康便り

ノロウイルス感染症にかかったら —健康—

 昨日から花子さんはずっと下痢気味。吐き気もあります。病院に行ったら、ノロウイルスによる感染性胃腸炎とのこと。吐き気は落ち着いてきたけど、おなか痛いな〜。

 ノロウイルスなどの感染による胃腸炎は、ウイルスが主に口から入り、腸で増殖しておう吐や下痢、腹痛などを起こします。感染力はきわめて強力で、人の手から、咳などによる唾液の飛沫から、乾燥した吐物などから舞い上がってなど、様々な経路で口に入ります。潜伏期間は約24時間〜48時間で、症状は1〜2日程度続きます。おう吐や下痢の症状が出たら周囲の人に感染を拡大させないよう、外出は控えましょう。

 感染性胃腸炎は特別な治療法がなく、対症療法が中心です。家庭では以下のように対応しましょう。

<おう吐>

おう吐後は、1時間程は飲んだり、食べたりせず胃を休める。その後少量ずつ水分摂取を行う。吐き気が治まらない、水分が取れないときは受診する。

<下痢>

脱水症状にならないよう、こまめに水分摂取を行う。薄いみそ汁やイオン飲料は、電解質を含み吸収されやすいのでお勧め。食事は刺激物や冷たいものを避け、消化の良いものを。腹部を温めると消化・吸収の助けになる。
水分が取れない、排尿が少ない、唇や皮膚がカサカサになる、などの場合は脱水の恐れあり。病院で点滴が必要となることもあるため受診する。

<手洗い>

手洗いは、手についたウイルスを減らす最も有効な方法。排泄後、便や吐物の処理後、調理や食事の前にはしっかり手洗いを。アルコールによる消毒はあくまで手洗いの補助として考える。症状が改善しても1週間ほどは便中にウイルスが排出されるので油断は禁物。

<吐物・便の処理はどうする?>

吐物や便の中には大量のウイルスが含まれる。ウイルスが飛び散らないように静かにふき取り、次亜塩素酸ナトリウムを含んだ消毒液や塩素系漂白剤などで消毒してから水拭きを。ふき取りに使用したものは全てビニール袋に入れ、しっかり口を閉めて廃棄。使い捨てのマスクや手袋、エプロンなどがあるとなおよい。

<汚れた衣類や布団はどうする?>

しぶきを吸い込まないように注意しながらバケツなどでまず水洗いし、次亜塩素酸ナトリウムで消毒。消毒液が使用できない場合、85度以上のアイロンで1分以上加熱しても消毒効果がある。いきなり洗濯機で洗うと、洗濯機がウイルスで汚染されるので注意。水洗いした箇所の消毒も忘れずに。

 花子さんはおなかを温め、様子を見に来てくれたお母さんが作ってくれたスープを飲みながらゆっくり寝ました。人にうつさないために、お友達のお見舞いは遠慮しておいたほうがよさそうですね。

一歩踏み出す勇気 —メンタル—

 次郎さんと同い年のいとこで、アメリカ留学中の謙さんが休みを利用して日本に帰ってきました。謙さんに誘われて留学生や大学生が企業と交流するパーティーに連れて来られた次郎さん。他の参加者が談笑している部屋の片隅で、一人ぽつんと座っています。「明らかに場違いなところに来てしまった…」と縮こまる次郎さんを横目に、謙さんは参加者と写真を撮ったり連絡先を交換したりしています。
 さすがの謙さんも気まずそうな次郎さんが気になったようで、話しかけてきました。

「次郎、どうしたの? 皆と一緒に話そうよ」
「そんなの無理だよ。こんなパーティー初めてだし。謙さんも前はこういうの嫌いだったのに」
「人生は一度きりだよ。今日を逃したら会えない人もいるし、ここで人脈を作ろうよ」
 次郎さんは、謙さんの話を聞くうちに、大学で「意識高い系」と呼ばれ、陰で笑われている人たちのことを思い出しました。彼らが謙さんと同じようなことを言って、「格好ばっかりつけて」と笑われているのを何度か耳にしたことがあります。そのせいか、次郎さんもこういう場で積極的になることを、どこか恥ずかしいと感じています。次郎さんは考えていることを謙さんに伝えました。

 話を聞いた謙さんは、次郎さんに言いました。
「僕は、今の自分に何が必要か分からないし、解決する方法も分からなくて不安だよ。だから、外に出て、人に聞いて、人の真似をしている。確かに、中身が伴わなくて、形だけになることもある。こういう姿を日本では『意識高い系』って言うのかもね。でも、こうして実際に人と関わることは、意識だけでどうにかなることじゃないよ。自分の未熟さを痛感して辛い時もある。ただ、同時に、行動したことで少しは成長しているとも思う。次郎はどう? 今日、何か感じることがあったんじゃないかな」

 謙さんの言うとおりでした。次郎さんは、折角の機会だと分かっているのに、一歩踏み出す勇気を持てない自分に気が付いていました。謙さんや大学の友人たちのことを「意識高い系」と斜に構えて見ていましたが、謙さんたちは行動をして、次郎さんはその姿を見ていただけでした。一歩踏み出す勇気が無い自分から目をそらしていたのだと思い知らされたのです。

 「よし、行こう。次郎」謙さんに促され、参加者の輪に入ることができた次郎さん。思えば美咲さんに初めて誘われた夏から、誰かが背中を押してくれるまで、一歩踏み出せないで過ごしてきたと感じていました。
 「今度こそ、勇気を出して向き合わないといけない人がいる」
 失恋したあの日、黙って隣にいてくれた花子さんのことを思い出している次郎さんでした。

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