健康便り

2月の健康便り

気胸の再発 —健康—

 年末に次郎さんのヤケ酒に付き合った花子さん。次郎さんへの思いをつい口にしてしまい、恥ずかしくてあれ以来次郎さんに連絡していません。学校で会ったら嫌だなと思っていましたが、花子さんのノロウイルス感染症が治って学校に行き始めても、次郎さんには会いません。友人に聞くと2年前に起こった気胸が再発して自宅療養をしているとか。花子さんは心配でたまりません。

 気胸は肺に穴が開き、空気が漏れて肺が小さくなった状態です。気胸にはいくつか種類がありますが、多いのは原因不明の特発性自然気胸。若い世代で、やせ型の男性に好発します。大学生協共済連の「大学生の病気・ケガ・事故2016」によると、学生の支払事由で毎年最も多い病気は自然気胸。気胸の問題点は急に再発することです。

<症状>
突然の胸痛や息切れ。まれに症状がないのにレントゲン検査などで見つかることもある。
<治療の目的>
肺から漏れ出した空気の排除と気胸の再発防止。
<治療法>
  • 自覚症状が少なく軽度の場合は、特に治療は不要。外来でレントゲン検査を行い、経過を見る。医師の判断に基づき自宅で安静にし、穴が自然にふさがるのを待つ。痛みや呼吸困難の症状があれば入院する場合もある。多くの場合、肺の穴はすぐに閉じて、漏れた空気は自然に吸収される。
  • 中程度以上では、入院して胸に管を入れ、肺から漏れ出した空気を体外に排出する。
  • 気胸を繰り返す、自然に穴がふさがらず空気の漏れが止まらない場合は手術が行われることがある。気胸は若い人に多く、試験など大事な時に再発する可能性もあるため、予防のために手術が選択される場合もある。他にも薬剤を用いて人工的に炎症をおこして肺を周囲と癒着させ、空気の漏れを防ぎ、同時に再発を予防する方法などもある。

 次郎さんが初めて気胸を起こした時の事を花子さんは思い出していました。スリムで背が高い次郎さんに憧れていた花子さん、自宅療養をする次郎さんを心配して友達を誘って家までお見舞いに行ったのでした。あれから2年、いろいろなことがあったな〜。
 自転車の乗り方を注意されてちょっとムッとしたこと、遊園地デートで次郎さんが腹痛を起こしてあわてたこと、素敵な女性と次郎さんがデートすると聞き、悲しくなったこと。いろいろなことを思い出すうち、改めて自分の思いをかみしめる花子さんでした。

相談するメリットとデメリット —メンタル—

 「先輩、今、ちょっといいですか?」
学食でぼーっとしていた次郎さんの目の前に、ゼミの後輩で2年生の高橋君が現れました。「うん、いいよ。どうしたの?」と次郎さんが訊ねると、もうすぐ3年生になるのに、自分の将来や就職活動について考えれば考えるほど分からなくなってしまうことや、考えはじめると他のことが手につかなくなって焦りばかりが大きくなることなどを、ぽつりぽつりと話しくれました。
「僕はどうしたらいいんでしょうか?」とつぶやく高橋君を見た次郎さんは、以前、先輩から“相談する”メリットとデメリットについて教えてもらったことを思い出しました。

 誰でも自分の悩みを人に相談したくなることがあります。それはどのようなときでしょう。“悶々としている気持ちや愚痴を聞いてほしい”“自分の判断に同意してほしい”“解決策を教えてほしい”など、いろいろな場面が考えられます。そんなとき“相談する”、つまり誰かに話を聞いてもらうことによって、自分の考えや気持ちが整理されて、“心がスッキリする”“知らなかった情報や知識を得られる”“考えつかなかったような方法や解決策に気づく”といったメリットがあるのです。
 しかし、その反面“自分の考えを否定される”“的外れなアドバイスを押し付けられる”“選択肢が多くなって、余計に混乱する”というデメリットもあります。相談相手に頼っていながら、結果がうまくいかないと「言うとおりにしたのに失敗した!」と恨みがましい気持ちになってしまうことさえあります。

 高橋君が抱えている悩みは、将来に対する“漠然とした不安”です。こうした悩みには、特効薬のような正解はありません。「僕はどうしたらいいんでしょうか?」と問われると、ついつい「こうしたらいいよ!」という解決策や方法を教えてあげたくなりますが、次郎さんは“相談する”メリットを高橋君に感じてもらうために、彼の話を受け止めながら、じっくり聴いてあげようと思いました。「ほんとうに不安だよね。僕も同じようなことで悩んで焦ったことあるよ」と言いました。

 「そうなんですよ!」と堰を切ったように、自分のなかの不安を一気に話し始めた高橋君。しばらく話すと高橋君は「僕、キャリアセンターに行ってきます。就職の悩みなら専門家に聞いた方が早いですよね。先輩に相談してすっきりしました。ありがとうございました!」と頭をさげると、明るい表情で席を立ちました。高橋君は相談することのメリットを感じたのでしょう。次郎さんも一安心です。

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