健康便り

4月の健康便り

飲み会で事故を起こさないために —健康—

 4年生になった花子さん。ゼミの新入生を迎える新歓コンパの幹事をまかされました。花子さんは先日、卒業した先輩をお祝いする飲み会の後、二日酔いでつらかったことを思い出しました。そもそもお酒に酔うって、どういうこと?

 お酒を飲むとアルコールが胃や小腸から吸収されて、血液に入り全身に行き渡ります。脳に到達したアルコールは理性をつかさどる大脳皮質を麻痺させて判断力を鈍らせます。麻痺が脳の深くまで広がると、吐き気やおう吐、ふらついて立てない、意識がはっきりしない、などの症状がおこります。延髄の呼吸中枢にまで麻痺が広がると死に至ることもあります。
 例えば体重60㎏の人が500mlの缶ビール1缶、または350mlの缶チューハイ1.5缶(ともにアルコール度数5度)を飲んだ場合、アルコールが体内から消失するまでに約3〜4時間かかります。個人差はありますが体質的にお酒に弱い人や男性に比べて肝臓の小さい女性は、更に時間がかかります。多量に長時間お酒を飲んでいると翌日まで体内にアルコールが残り、二日酔いとなってしまうのです。

 また、当然のことですが、未成年の飲酒は法律(未成年者飲酒禁止法)で禁じられています。成長期の未成年者はアルコールを分解する肝臓や酵素の働きが未熟なために、急性アルコール中毒になりやすいと言われています。東京都では平成28年に急性アルコール中毒のため救急車で病院に運ばれた約1万6千人のうち半数近くが20代の若者や未成年でした。先輩後輩関係などの立場を利用した心理的な圧力による、本人の体質や意思を無視した飲酒の強要は「アルコールハラスメント」と言われます。お酒を強要した相手が急性アルコール中毒を起こした場合、強要した人は刑法上の犯罪として処罰されることもあります。

飲み会の席で具合の悪くなった人を見たら、次のような対応をしてあげましょう。
  • 意識がない場合(昏睡状態、反応がない)は救急車を呼ぶ
  • 一人にせず、誰かが必ず付き添う
  • 横向きに寝かせておう吐物がのどに詰まらないようにする
  • ベルトなど、身体を締め付けているものは外す
  • 自分で吐けない場合は、無理に吐かせない
  • おう吐した時は、吐しゃ物をよく拭き取る
  • ときどき息をしているかを確認する
  • 体温が下がらないよう、毛布や上着などをかける
  • 可能ならば水やお茶、スポーツドリンクなどの水分を補給する

 花子さんは、お酒を飲まない人にも楽しんでもらえる新歓コンパにしたいと思いました。

それぞれの将来の選択肢 —メンタル—

 「暑いな…」リクルートスーツ姿の次郎さんは、思わずつぶやきました。今日は合同企業説明会の日です。以前から気になっていた会社も参加すると知り、直接話が聞ける良い機会だからと参加した次郎さん。しかし会場に着くと、あまりの人の多さにがく然としました。お目当ての企業ブースまで辿り着くのも一苦労。何とか話を聞くことはできたものの、すでに疲労感でいっぱいです。

 「よう、次郎。お前も来ていたのか」声がした方向を見ると、そこには疲れた表情の友人尾崎君がいました。「ちょっと休憩しよう」2人は外の木陰に一旦避難することにしました。「尾崎君どう? 何か収穫あった?」次郎さんが尋ねると、「いやぁ…周りの熱気に押されてさ、苦戦中だよ」と苦笑いする尾崎君。なかなか思うようにはいかないようです。

 「次郎、聞いたか。宮田君は来週から1年間カナダに留学するらしいよ」「あぁ、聞いたよ。すごいよな」宮田君は以前から海外に興味があり、休みのたびにあちらこちらと旅行に行っては皆にお土産を買ってきてくれていました。「就職したら1年なんて休みは取れないから、行くなら今しかないって決断したらしいぜ」と尾崎君。「そうか…、皆いろいろ考えているんだな」

 大学生活4年目ともなると、次郎さんの周りでも様々な道を選ぶ人が増えてきました。アルバイト先でそのまま社員になる人、音楽に打ち込むあまり、ほとんど学校に来ていない人、ゼミ仲間の中には、「起業する」と言って大学を辞めた人もいます。大学には4年間通って、卒業したら就職するのが当たり前だと思っていた次郎さんは、ふと聞いてみたくなりました。「ねぇ、尾崎君は就職以外の道って考えたことある?」「いや、ないよ。そもそもやりたいことが明確にあるわけじゃないからさ。俺は仕事をしながら、やりたいことや、自分に向いていることを見つけていきたいと思っているんだ」

 子どもの頃からの夢を形にする人もいれば、学生のうちにやりたいことが見つかり別の道を歩む人ももちろんいます。しかし多くの学生は、尾崎君のように、将来についてまだ明確には決まっていないものです。自分は何に興味があるのだろう、どんな仕事が向いているのだろう、やりたいことって何だろう…、悩みながらも自分なりの答えを見つけていく。就職活動はその答えを見つけるためのひとつのスタートラインなのかもしれません。

 自分も尾崎君と同じ考えだと改めて確認できた次郎さん。「よしっ、そうと決まれば、こんなところでグズグズしていても仕方がない。まずは今できることをやろう」休憩したことで元気を取り戻した2人は立ち上がり、再び会場へと向かいました。

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