健康便り

5月の健康便り

自転車の「ながら運転」の危険 —健康—

 新緑がまぶしい季節、花子さんは就職活動のためスーツ姿で家を出ました。近道の公園を抜けて歩道へ出ようとしたときに「あっ、危ない!」猛スピードの自転車とぶつかりそうになり、歩道に尻もちをついてしまいました。ブレーキが間に合わず植え込みに突っ込んでしまったのは、クロスバイクにまたがる男子高校生です。手からスマートフォンが転がり落ちました。耳にはイヤホンがついています。
 花子さんは、自転車を「スマホしながら運転」していた大学生が歩行者に衝突して死亡させたニュースを思い出して怖くなりました。尻もちで済んでよかった…。

 2017年に片手にスマートフォン、片手にドリンクを持ちながら電動アシスト自転車を運転して死亡事故を起こした女子大学生は、重過失致死容疑で県警に書類送検されました。たとえ事故を起こしていなくても、改正道路交通法では、自転車運転中に危険、悪質な違反行為を3年間に2回以上摘発されると、都道府県公安委員会から自転車運転者講習を受講するようにという命令がきます。3ヶ月以内に受講しなければ5万円以下の罰金が課せられます。
自転車には運転免許は必要ありませんが、軽車両にあたるため、歩道と車道の区別があるところは車道通行が原則です。自転車の通行が認められている歩道では、すぐに停止できる速度で走り、歩行者を妨げる場合は一時停止をするなど、歩行者優先が義務づけられています。電動アシスト自転車、クロスバイク、ロードバイク、マウンテンバイクなど、スピードの出やすい自転車は、特に注意が必要です。傘をさしたり、スマートフォンを手に持って通話したり、画像を見たり、イヤホンで音楽を聞いたりなどの「ながら運転」も道路交通法違反に問われます。

 また、自転車による事故でも加害者になると数千万円もの賠償金を支払わなくてはならない場合があります。車やバイクのような自賠責保険加入の義務がない自転車等の事故による賠償のリスクに備えるため、大学生協共済連では「学生賠償責任保険」の加入をお勧めしています。

 立ち上がって砂ぼこりを払い、ケガをしていないことを確認した花子さん。「大丈夫?」と、青ざめてうつむいている高校生に声をかけました。自分も加害者にならないように気を付けなければ、と改めて思う花子さんでした。

悪徳就活塾にご用心 —メンタル—

 最近、1社から内定をもらったことで、さらに就職活動への意欲が増している次郎さん。志望する食品会社ではありませんでしたが、内定が得られてホッとしています。内定のために必要なことも何となくわかり、気持ちにも余裕が出てきたので、楽しみながら就職活動をしています。来週は、業界研究を兼ねて朝から築地の市場を「視察」する予定です。

 授業が終わり、キャンパスを歩いていると、ベンチにぽつんとひとりで座っている和也さんを見つけました。和也さんは入学当初からの仲で、お互いに厳しい意見も言い合える信頼できる友達です。最近は就職活動で忙しく、顔を合わせていなかったのですが、しばらく連絡がないので、「うまくいっていないのかな」と次郎さんも気になっていました。

 「和也、久しぶりだね」和也さんの好きな海鮮丼の話題を振っても、和也さんの表情は曇ったままです。話を聞くと、一次面接より先に進めないため、わらにもすがるような気持ちで就活塾の体験授業を受けたところ、「気合が足りない」と怒られてしまったというのです。しかも、その就活塾の授業料は36万円と高額で、勧められるがまま消費者金融から借りることまで考えているようでした。和也さんは現状を冷静に判断しているとは言えない状況で、次郎さんも心配です。

 「僕は就活って、会社のことを理解して、それでも働きたいと思える会社に、自分の気持ちや考えを理解してもらうってことだと思う。これは気合とかではなくて、企業や業界の研究と自己分析が必要で、僕もその両方ができたとき、初めて内定をもらうことができたんだ。きっと和也も企業のこと、自分のことをしっかり理解して、伝える練習をすれば大丈夫だよ。そのために必要なことがあれば僕も手伝うし、就活塾に行かなくてもキャリアセンターで十分なサポートが受けられるよ」
「そっか。じゃあ、まずはキャリアセンターに相談してみるよ。それに、なんだかとにかく内定とらなきゃいけないって気持ちばかり焦って、会社や自分の理解が不十分だった気がする。ありがとう」

 和也さんのような就職活動で悩む学生の気持ちに付け入り、高額な授業料をとる悪質な就活塾が存在します。その手法としては、合同企業説明会場の外でアンケートなどを通して学生の連絡先を聞き、体験授業などに招待します。体験授業を受けた学生には、入塾しないと内定をもらえないかのようなイメージを植え付け、長時間入塾を説得し続けることもあります。授業料支払いのために消費者金融から借金をさせることもあるようです。
大学内の就職支援窓口では、学生のために就職活動のスケジュールや就職先を学生と一緒に検討してくれます。知らない企業のアンケートには答えない、連絡先は教えない、などといった悪徳就活塾への対処法も教えてくれるなど、頼りになる存在ですから積極的に利用しましょう。

 翌週、2人は気分転換に築地にやってきました。
「次郎も大盛でいいよね」
「いや、今日は…」
「すみません!海鮮丼大盛2つ!」
「え…食べきれるかな」
いつもの和也さんらしさが戻ってきたことに安心しながらも、大盛の海鮮丼を食べきるのに苦労した次郎さんでした。

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