健康便り

7月の健康便り

審美歯科ってなあに —健康—

 休日のある日、花子さんの家にいとこの綾香さんが遊びに来ました。綾香さんに会うのは久しぶりです。何だか前と印象が違うような…?「実は私、審美歯科で歯の矯正とホワイトニングを受けたのよ」綾香さん、わざとおどけてニッと笑ってみせました。審美歯科ってどんなことができるのかな? 歯の色や歯並びに自信があるほうではない花子さんは興味津々です。きれいな歯並び、白い歯がキラリと輝く私…、想像するとにやけてしまいます。もし治療したら次郎さんも気づいてくれるかな…。

 一般的な歯医者さんでは「虫歯や歯周病の治療や予防」「よく噛めるようにする」「発音する、話す」といった口腔内の機能的なことを主体に治療を行います。一方、審美歯科は治療に加えて美観を整えることも大きな目的とします。機能的な健康だけではなく、見た目をきれいに整えることで、より高い満足感が期待できます。

 就職活動中の友達で、面接時の印象を考えてホワイトニングを行った人がいたことを思い出した花子さん。審美歯科はとてもお金がかかると言っていたけれど…。
 綾香さんは「確かに審美歯科ではほとんどが健康保険のきかない自由診療。費用は医療機関によっても大きく変わってしまうの。ただ、セラミックを使って歯を白く見せる方法には健康保険が使える事もあるから、医療機関に直接問い合わせるといいわよ。歯列矯正は大人もできるけれど、かみ合わせの状態によって矯正方法が違ってくるから、これも相談が必要ね」と教えてくれました。

一般的な審美歯科で行われる治療は次のようなものがあります。
  • 歯を白くする…薬剤を歯に塗り、熱や光を当ててホワイトニングする。または、歯の一部を削り自然の色合いに近い人工材料を被せる。
  • 歯の形をきれいにする…歯の一部、または全部を削って人工材料をかぶせる。
  • 歯茎の色や形を健康的に見せたい…歯茎の炎症や変色を取り除いて出血や口臭を無くす。レーザーによるメラニン除去や、歯肉整形。
  • 歯並びをきれいに…歯列矯正。または人工材料をかぶせて歯並びをきれいにする。
  • よく噛めるように…セラミックや樹脂などの人工材料を使う固定制の義歯(ブリッジ)や、人工歯根をあごの骨の中に植えて歯の抜けたところを補い、人工の歯を作る(インプラント)

 「想定外の高額治療費請求とか、仕上がりのイメージが違うなどのトラブルもあるみたいだから、歯科医選びは気を付けてね」と綾香さん。今は治療費を自分では出せないから、先のことになるかもしれないけれど、受診するなら広告だけで安易に決めないようにしようと花子さんは思いました。

人は変えられないということ —メンタル—

 「はぁ…」
 花子さんの隣で、ため息ばかりついている次郎さん。大企業を含む複数の会社から内定をもらったのですが、就職先について、父親と意見が食い違い、最近はブルーな日が続いています。
 次郎さんが就職先として選んだのは、食品関係の中小企業A社でした。しかし、次郎さんが就職先を伝えると、父親から猛反対されてしまったのです。この2週間、何度も説得を試みましたが、「大きなところで勝負してみろ」という父親の意見は変わりません。次郎さんは中小企業ならではの良さやA社の強み、今後の可能性などを伝えましたが、父親の古い考えを変えることはできませんでした。

 次郎さんは一人で悩んできたことを、花子さんに話してみました。「お父さんが考え方を変えるかどうかはお父さん次第だし、次郎さんはまず、自分の気持ちをお父さんに伝えてみるしかないんじゃないかしら。人の気持ちって変えられないから…」花子さんが言ったのは、次郎さんにとって考えてもみなかった言葉でした。次郎さんは父親の気持ちを変えることにばかり気が向いていましたが、肝心な自分の気持ちを伝えていなかったことに気が付いたのです。

 その晩、次郎さんは改めて父親に自分の気持ちを伝えてみました。
 「父さん、僕は、A社に就職したい。父さんの言うとおり、大企業で働くことは確かに安定していて、メリットも多いと思う。でも、大学で出会った人たちと関わるうちに、食事を通して、人の幸せに貢献することを働く目標にしたいと思うようになったんだ。
 僕は、A社の面接を受けたり、インターンシップを経験したりするうちに、『この会社の人達もみんな、僕と同じ思いを持って働いている』ことが伝わってきた。僕の目標は、他の会社でも叶えられるかもしれないけど、A社の人たちと一緒に取り組んでいきたい」

 父親は、次郎さんの話を頷きながら穏やかな表情で聞いていました。
 「なるほどな。安定志向の次郎が中小企業を選んだのはそういう理由があったからなんだな。昔から次郎は父さんの考え方に反発しているところがあったから、今回もそういう反抗心から中小企業を選んだんだと思っていたよ。父さんは大企業も良いと思うけど、それだけ情熱をもって働きたいと思える会社や仕事があるというのは大事なことだ。応援するよ」

 父親は、拍子抜けするほど、簡単に意見を受け入れてくれました。自分の考えや気持ちを理解してもらうことを複雑に考えすぎていたなあと、気が付いた次郎さんなのでした。

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