健康便り

10月の健康便り

性感染症のおはなし —健康—

 卒論の作成中ちょっと一息いれたくなり、花子さんはコーヒーをいれ、気分転換にテレビをつけました。いきなり「性感染症が急増中」のタイトルが目に飛び込んで眠気が一気に吹き飛んだ花子さん。性感染症って、エッチでうつる病気のことだよね?

 性行為で感染する病気を性感染症と呼びます。性器・泌尿器・肛門・口の中にも感染し、1回の性行為でもうつることがあります。

  • 性器クラミジア
    男性は尿道のかゆみや排尿時の軽い痛み、女性はおりものが増える、生理のような痛み、不正性器出血を起こすなど。自覚症状がなく、気づかずに治療が遅れたり、放置すると、男女ともに不妊の原因にもなる。
  • 梅毒
    感染してから何年もかけて症状が出たり消えたりしながら進行していく。初期症状は、性器のしこりや表面にただれてえぐれたような傷、足の付け根のリンパの腫れ。痛みはないが、治療をしないと、脳障害を起こして死に至る。感染した女性が妊娠した場合、胎盤を通して胎児に感染し、障害を残す。
  • 淋菌
    男性は膿のような分泌物が尿道から出て、排尿時に痛む。女性は膣、子宮、卵管に炎症が広がり、腹痛(慢性骨盤痛)を感じる。不妊や子宮外妊娠の原因にもなる。
  • 性器ヘルペス
    性器周囲に複数の水疱ができて、強く痛む。感染しても無症状のことも多いが体力が低下した時に症状が出る。女性が出産時に症状が現れると新生児に感染する。
  • 尖圭コンジローマ
    性器に痛みのない形の変わったイボができる。同じ種類のウイルスの中には女性が子宮頸がんを起こすこともある。
  • HIV
    感染してもほとんど自覚症状がないが、10〜15年かけて免疫が低下し、エイズを発症する。現在は症状の進行を遅らせる治療のみで、完治はしない。

 さらにテレビのコメンテーターは、20歳代は他の年代より感染者が多く、その理由として性行為に伴うリスクを回避できる知識の不足を伝えていました。性行為による感染を防ぐ3つの方法として「性行為をしない」「性感染症に感染していないことが確実な特定のパートナーとの性行為」「コンドームを正しく使用した安全な性行為(100%感染を予防できるわけではない)」と説明していました。

 花子さんは自分にとっての特定のパートナーをイメージしているうちに、なんだかコーヒーカップより顔があつくなって胸がどきどきしてきました。今夜は卒論に集中できないから、明日にしよう…と、一人で照れる花子さんでした。

SNSでゆがむ本音 —メンタル—

 「乾杯〜!!」
 今日は久しぶりのゼミ仲間との飲み会です。次郎さんも、皆と近況報告をしながら楽しく飲んでいたのですが、お酒に強い小林君が珍しく酔っ払っているのが気になりました。

 「どうしたんだよ、小林君。酔うなんて珍しいね」
 「次郎聞いてくれよ。俺、吉田さんに振られたんだよ。向こうから付き合ってって言ってきたのにさ。3か月だぜ、ひどくないか。こうなったら俺は吉田さんのことをSNSに書き込んで、どれだけひどい女か皆に知らしめてやろうと思うんだ」
振られたショックはわかるけれど、SNSの書き込みはさすがにまずいと思った次郎さん。あわてて小林君の説得を試みます。

 近年、個人がブログやSNSを通じて、インターネット上で情報発信をすることが当たり前に行われるようになりました。自分の考えや日常生活を手軽に多くの人と共有したり、自分の投稿に対する反応をすぐに確認したりできることなどが、利用者にとって大きな魅力になっています。
 しかしその一方で、何気なく発信した言葉が、発信した人の意図と異なる捉え方をされ、思いもよらない方向に広まってしまうこともあります。たとえ小林君が自分の「傷ついた気持ちをわかってほしい」という思いだけで吉田さんのことを書いたとしても、吉田さんは、「批判された」「悪口を言われた」と受け取ってしまうかもしれません。また、小林君の発言を見た共通の友人が、「吉田さんはひどい女だ」と噂を流したり、「小林君が嫌がる吉田さんにつきまとっている」などと、勝手な憶測をしたりする恐れもあります。
 短い文字だけでは本当の思いが伝わりづらいこと、どう受け取られるかは読んだ人次第であること、意図せず人を傷つけてしまう可能性があることなどに十分注意しましょう。不用意な発言で人間関係を壊すことのないように、賢く使いこなしていきたいですね。

 「ごめん次郎、俺、本気で書き込もうなんて思ってないよ。ただ、ショックが大きくてさ。つい感情的になってしまっただけなんだ。たぶん、まだ吉田さんのことが忘れられないんだと思う…」
 そう泣きながら話す小林君を見ていると、なんだか胸が熱くなってきた次郎さん。何も言わず彼の肩にそっと手を置き、ぬるくなったビールを流し込むのでした。

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