2016年12月の健康便り —メンタル—

悩みは前進への第一歩

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 12月の街はクリスマスムード一色で華やいでいます。次郎さんもなんとなく気持ちがソワソワして落ち着きません。数日前から「花子さん、クリスマスはどうするのかなぁ…」と気になっているのです。ゼミの仲間達とクリスマスの話しているとき“彼女と過ごす派”と“好きな人に告白する派”、それと自分を含む“男同志で飲み会派”に分かれていることを知りました。

 しかし、心のどこかで花子さんと一緒に過ごせたら楽しいだろうなぁ…という気持ちをもっている自分に気がついてしまいました。「僕は花子さんのことが好きなのか? これは恋愛感情なのか? それとも女の子とクリスマスを過ごしたいという願望なのか?」とあれこれ悩んでしまい、頭をかかえているのです。

 ふと自分の本心に気づいて混乱している次郎さんですが、こういう悩みは思春期にはよくあることです。周りからみると「そんなささいなことで?」と思うようなことでも、その人にとっては「とても大きな悩み」になっている場合があります。その悩みをどう解決したらいいかと考えることも重要ですが、自分の悩みを少し掘り下げてみると、さらに深い自分の考えや気持ちが見えてくることがあります。

 次郎さんは悩み続けているうちに、花子さんの何気ない優しさに助けられたことや、真剣に自分の話を聞いてくれたことを思い出しました。そして、「僕は花子さんといると、なんだかホッとして、それがすごく楽なんだよな」と実感したのです。この「安心感」や「心地良さ」が異性として好きなのか、友達として信頼しているのか、よく分からないし、はっきりさせるのが怖いような気持ちにもなりました。女の子として意識してしまうと、今までのように自然に接することができなくなってしまいそうです。しかし、花子さんのことをもっとよく知りたいし、たくさん話したいという気持ちも強くあります。考えているだけでは何も変わらない、考えているだけではどうしようもない! と決心した次郎さんは、勇気を振り絞ってこれまでと違った行動をおこしました。「明日、学食でランチしませんか?」と花子さんにLINEしたのです。こんなことができるなんて! 自分でもびっくりです。

 翌日、おいしそうにオムライスを食べる花子さんを目の前に、なかなか本題を言い出せない次郎さん。花子さんと一緒にクリスマスを過ごせるかどうかは分かりませんが、花子さんとの関係を前進させるための第一歩を踏み出した次郎さんでした。