2019年3月の健康便り —健康—

元気に新年度をスタートさせよう!

イメージ

 卒業式を控えたある日、花子さんは卒業旅行のお土産を口実に、思い切って次郎さんをランチに誘いました。約束の日の朝、緊張してよく眠れなかった花子さんは食欲がありません。朝食を抜いて家を出たら、今度は待ち合わせ場所へ向かう電車の中でおなかが「ぐぅー」と鳴ってしまいました。せっかくこの日のために選んだワンピースも台無しです。

 待ち合わせのレストランに少し早めについた花子さん。ここに来るだけでなんだか疲れてしまいボンヤリ座って待っていると、突然後ろから「遅くなってごめん」、次郎さんから声をかけられてビックリしました。我に返ったとたん、周囲のおいしそうな匂いを感じて、またまたおなかがぐぅー…。恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまった花子さんでしたが、次郎さんはすまなそうに「とてもお腹が空いていたんだね。さっそく何か注文しよう」と言ってくれました。

 運ばれてきたランチを口にしているうちに、花子さんは少しずつ元気になっていきました。冷たかった手足の指先も温まってきた気がします。
 花子さんは卒論で忙しかったこと、最近まで行っていたアルバイトのことなど、久しぶりにゆっくり次郎さんと話ができました。話しているうちに昨日、緊張してよく眠れなかっただけではなく、このところずっとアルバイトで帰宅が遅く、寝る前に夕食をとっていたために翌朝は食欲がなくて朝食を抜く日があったことを思い出しました。アルバイトがない日も、なんとなくスマホで動画を見て夜更かししては、翌朝疲れが残ったまま大学に行く日もありました。「だめだなぁ、私って」花子さんは落ち込んでうつむいてしまいました。

 花子さんが急にうつむいてしまったので、次郎さんは焦ってしまい「花子さんは卒業したら何をするの?」とりあえず思いついた話題を振ってみました。
 「次郎さん、私、いつまでも学生気分で過ごしていてはいけないと思う。朝ごはんをちゃんと食べないと、意欲も元気も出ないし、しっかり働けないでしょう? これからは、夜更かしや睡眠不足を改めて自分の体調管理には責任を持たなきゃ」そして、旅行代理店に就職が決まったこと、旅行中さらに仕事に対する夢が広がったことなどを話しました。
 次郎さんは、明るく夢を語る花子さんがなんだかまぶしく見えました。これからも応援しているから、元気に仕事を頑張ってほしいと伝えました。

 別れ際、花子さんは次郎さんにやっとお土産を渡すことができました。「今日は会ってくれてありがとう。楽しくてついつい自分のことばかり話しすぎちゃった。私も次郎さんのことずっと応援してるね。今度は次郎さんの話が聞きたいな。卒業しても会えるかな?」次郎さんは照れ隠しに頭をかきながら、何度もうなずきました。よかったね、花子さん。