2020年1月の健康便り —健康—

インフルエンザの感染予防

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 4年生の秋山さんは今朝から体のゾクゾクした寒気と、関節や筋肉の痛みを感じていました。卒論の提出前に確認したいことがあり、頑張って大学まで出てきたものの、あまりのつらさにフラフラしながら健康管理センターへ。
 咳をしながら赤い顔で入ってきた秋山さんに、モモセさんはソファーを案内してからマスクと体温計を渡しました。これはもしかすると…?

 季節性インフルエンザは例年12月から3月が流行期と言われています。今年度は比較的早い11月から流行入りが発表されました。症状は38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などが比較的急速に現れます。同時に普通の風邪と同じく、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。
 体温計をモモセさんに返す前に、熱を確認した秋山さんはびっくりしました。「38.6℃もある!! 昨日まではちょっと鼻水がでるくらいだったのに」
 「秋山さん、卒論の提出にはまだ少し余裕はあるの? 今日は早く帰って休んで。お医者さんにも行った方がいいね。検査をしないと分からないけれど、大学でもインフルエンザが流行っているの」
 秋山さんは困った顔で言いました。「弟が今、大学受験を控えているんです。何か感染予防のためにできることはないですか」

 インフルエンザの主な感染経路は咳やくしゃみによる飛沫感染です。不織布製マスクの着用で、ある程度飛沫が飛び散るのを防ぐことができます。マスクをしていないときに、とっさの咳やくしゃみが出た場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を覆い、顔を他の人に向けない咳エチケットを心がけましょう。流水と石けんによる手洗いで、手指についたウイルスを洗い流します。インフルエンザウイルスにはアルコール消毒も効果があります。
 マスクの着用は、まだ感染していない人の予防にも効果が期待できます。また、空気が乾燥していると気道粘膜の防御能力が低下します。加湿器で適切な湿度(50~60%)を保ちましょう。そして、体の抵抗力を高めるために、十分な睡眠と休養、バランスのとれた食事を心がけます。

 モモセさんは、発熱でセンターに来た学生が帰宅後に確認できるよう作成した「インフルエンザの豆知識」というプリントを渡しました。
 インフルエンザは発症後5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまで出席停止となります。インフルエンザの診断がついたら、医師にも出席停止期間について確認しましょう。 
 弟思いの秋山さん、早く元気になってね。