2012年7月の健康便り —健康—

夏の紫外線を避ける

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太陽の光がまぶしく感じられるこの時期、気になるのは日焼けですね。「健康的」ともてはやされた時代もありましたが、最近では「日焼けは危ない」といわれるようになりました。実は地上に降り注ぐ紫外線は年々増加しているのです。

地上はるか上空にはオゾン層という層があり、ヴェールのように地球を覆っています。このオゾン層が太陽からの紫外線を吸収し、地球上の生命を守ってくれているのです。しかし、1980年代頃から冷蔵庫やスプレー剤など様々な方面でフロンガスが使われるようになり、このフロンガスがオゾン層を壊していることがわかりました。大気中に排出されたフロンガスがオゾン層近くまで上昇し、分解される際に放出する塩素原子がオゾンを連鎖的に破壊してしまうのです。オゾン層が1%減るごとに紫外線(UV-B)量は1.5%増加するといわれています。その結果、人体へのダメージが強くいわれるようになりました。
フロンガスはオゾン層の破壊の原因とよく言われていますが、紫外線増加の原因は他にもあります。日本では大気清浄化の取り組みなどによって大気が以前に比べきれいになりました。しかし、紫外線をさえぎっていた大気汚染物質が減少したことで逆に地上に到達する紫外線は増えたとも言われているのです。せっかく空気がきれいになったのに、なんとも残念な話ですね。
現在世界の多くの国がオゾン層を守るため塩素原子を含むフロンなどのオゾン層破壊物質の生産や輸出入を規制していますが、紫外線は少しずつ増加しています。欧米等では広く紫外線予報が出され、対策が進んでいるオーストラリアでは紫外線が強い日には小学校の戸外活動が制限されるといった措置も取られるなど、紫外線から身を守る取り組みが進められています。

ところで紫外線の何が問題なのでしょうか?紫外線によるダメージは皮膚などに蓄積され、やがてしわやしみになります。美容上の問題ばかりではありません。ダメージはさらに皮膚がんや白内障、免疫力の低下などの原因にもなるのです。

残念ながら一度浴びてしまった紫外線をなかったことにはできません。紫外線は一般的に1年の内では春から初秋、1日の間では正午をはさむ数時間が強いという特徴があります。まずは、朝から日焼け止めクリームを使い、長袖の衣服や日傘、帽子、サングラスなどを活用しましょう。紫外線の強い時間を避けて戸外活動をするとさらに良いですね。上手に紫外線を避けながら夏を楽しみましょう。