2012年7月の健康便り —メンタル—

織姫と彦星の失敗に学ぶ

最近は七夕のイベントをよく見かけますが、恋人と幸せなひとときをすごす方も多いのではないでしょうか。大学生になると自由が増えるので、恋愛のパートナーを見つけて交際する機会もあるでしょう。

織姫と彦星も七夕の夜には逢瀬を許されますが、愛し合う二人が年に一度しか会えないのはつらいですね。でもそもそもは、二人が愛情生活に溺れて大切な仕事をほったらかし、周りのみんなが困り果てていたので、織姫の父親が怒って二人を引き離したのでした。

私たちも「やりたいこと」と「やるべきこと」に挟まれています。ずっと恋人と居たくても、授業がありますし、バイトに行かなきゃみんなが迷惑します。愛情がいくらあっても、それで「やるべきこと」がなくなるわけではありません。それを疎かにすると、単位を失ったり、信頼を失ったりして、二人の仲を維持するのが難しくなります。織姫と彦星はそのことを忘れて二人の世界に夢中になってしまったわけです。そしていつも一緒にいるという幸せを失いました。

それでは、私たちは愛情生活を犠牲にして「やるべきこと」を我慢してやり続けるしかないのでしょうか。それが大人の恋愛だとしたらちょっと味気ない気もします。

しかしどうでしょう。「やるべきこと」を疎かにしない人は信頼されるでしょう。そして信頼される人の恋愛は、みんなから祝福されるでしょう。みんなが二人の幸せを願います。また、働いてお金が貯まればちょっと贅沢な旅館に泊まったりできます。そうやって二人の愛情が満たされていくと、授業やバイトにもハリが出ます。「やりたいこと」と「やるべきこと」は対立するのではなく、補いあうものなのですね。

織姫と彦星もそのことに気づいていたら、ずっと二人でつつがなく生活できたのかもしれません。若い時の恋は夢見がち。でもその夢は、現実に根付いてこそ花開くのです。