2012年9月の健康便り —健康—

ワクチンと検診で子宮頸がんを予防しよう

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学生生活無料健康相談テレホンには「生理じゃないのに出血した。大丈夫か。」などの相談が入ります。実は近年20〜30代の女性で子宮頸がんになる人が急増していることをご存知ですか?

子宮頸がんは、性交渉により感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因といわれています。このHPVはごくありふれたウイルスで、性交渉のある女性なら誰でも一度は感染する可能性のあるウイルスです。ただし、感染しても多くの場合は体内から自然に消失するため、子宮頸がんになる人はごくわずか。でも、油断は禁物です。子宮頸がんは自覚症状がほとんどありません。不正出血やおりものの増加などで「おかしいな?」と思った時には既に癌が進行していて、場合によっては子宮を全て摘出したり辛い治療を受けたりしなければならないこともあるのです。

その子宮頸がんを予防するのがワクチンです。100種類以上あるHPVのうち、子宮頸がんの原因となるハイリスクタイプは15種類。その中でも特に子宮頸がんの原因として多く報告されているHPV16型と18型の感染を防ぐワクチンが一般の医療機関で接種できるようになりました。ワクチンには2種類あり、料金は両方ともほぼ同じです。接種回数も3回と変わりません。ただし、ワクチンの内容がやや異なるので、3回とも同じ種類のワクチンを接種しなければなりません。医療機関によって扱っているワクチンが違うので予防効果や費用など詳しくは事前に確認してください。産婦人科だけでなく小児科や内科でも受けられることがあるのでかかりつけ医に問い合わせてみるのもよいでしょう。一般的に一回の接種でおよそ15,000円〜20,000円、初診料なども含めると3回で4〜6万円位かかります。念のため住民票のある保健所や自治体に補助があるかどうか問い合わせてみるとよいですね。

しかし、ワクチンを接種しても、全てのハイリスクHPV の感染は予防できません。また、既に感染しているHPVを排除したり、前がん状態にある細胞やがん細胞を治したりする効果もありません。そのため、ワクチン接種後も1〜2年に一度は症状の有無にかかわらず定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。こちらは自治体からの無料クーポンや補助が出ることが多いようです。検診のお知らせがきたら必ず受けるようにしましょう。実施時期や対象年齢など詳しくは保健所や自治体に確認してください。

子宮頸がんは、検診とワクチンで早期発見と予防が可能な癌です。自分の体を守るため、恥ずかしがらず、面倒くさがらず、ワクチン接種や検診を受けましょう。