2012年12月の健康便り —健康—

お肌の乾燥を防ぐ入浴法

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寒くなると気になるのが肌の乾燥やかゆみです。特に腕やわき腹、すねなどがかさついてかゆいとお悩みの方も多いのではないでしょうか。学生生活無料健康相談テレホンには、「冬になるとかゆくて眠れない。どうしたらよいか。」などといった相談が寄せられます。

かゆみの原因の多くは肌の乾燥です。年をとると新陳代謝が低下して肌が乾燥しやすくなるので、特に高齢者はかゆみに悩まされる人が多いのですが、最近では若い人でも乾燥によるかゆみを訴える人が増えているようです。その原因の一つとして体の洗いすぎが考えられます。
健康な皮膚は、皮膚表面にある角層の角質細胞がレンガのようにきれいに積み重なっています。角質細胞の隙間にはセラミドなどの天然保湿成分が水分をしっかり保ち、細胞と細胞をつなぎとめています。さらにその表面を皮脂とセラミドが混ざり合ってできた皮脂膜が覆い、皮膚内部の水分が蒸発するのを防ぎます。この角層と皮脂膜が外部の刺激から皮膚を守っているのです。ところが、体の洗いすぎは必要な皮脂まで洗い流し、角層を傷つけるので乾燥の原因となります。角質細胞の構造が崩れ、その隙間から刺激物質がはいりやすくなり、かゆみが生じてしまうのです。特に冬は一年で最も湿度が低いため、皮膚の水分が蒸発しやすくなります。また、寒さによって末梢血管が収縮し血流が減るので皮脂の分泌量も減少し、ますます皮膚は乾燥しやすく、かゆみがおこりやすくなるのです。

そこで、乾燥を防ぐためにぜひ取り入れてほしい入浴方法をご紹介します。

  1. 体は手で洗う:皮膚に最も優しい洗い方です。ナイロンタオルやネットでせっけんをふわふわに泡立て、その泡を手にとってなでるように洗ってください。洗いにくい場合は綿などの天然素材のタオルを使い、ナイロンタオルでごしごし洗うのは避けましょう。
  2. せっけんで洗う回数を減らす:汗をかかない冬は毎日体を洗わなくても大丈夫。ぬるめのお湯に浸かるだけで体の汚れの大部分は落ちています。せっけんを使うのは2~3日に1回程度でOK。汚れやすい部分だけせっけんで洗うなど、メリハリをつけましょう。
  3. 入浴後は毎日保湿:保湿剤は肌にある水分を保つものなので、湿った肌に塗るのが効果的。体をふいたらすぐに保湿剤を塗るようにしましょう。塗っているつもりでも量が少ないと十分に保湿効果が得られないことがあります。保湿剤は肌にテカリが出るくらいたっぷりと、両手で軽く温めて手のひらで優しくなじませるように塗りましょう。症状がひどいときは朝も保湿を。乾燥が気になるところは化粧水などで湿らせてから塗るといいですよ。
    十分に保湿をしてもかゆみが続く場合は、じんましんやかぶれ、あせも、水虫などの皮膚病が原因のことがあります。かゆみがひどい場合にはかゆみを抑える塗り薬もあるので、症状が続いたり、悪化したときには無理せず皮膚科を受診しましょう。