2012年12月の健康便り —メンタル—

心の大掃除は感謝ととも

年末は大掃除の季節ですね。捨てたいものがいろいろあるのではないでしょうか。私たちは、いらないものをゴミとして捨てます。それと同じように、不愉快な感情や考えを、ゴミのように捨て去ってしまえたらと、思うことがあるかもしれません。

不快な感情や考えは、ある程度までは自分の心で処理できますが、その処理能力には個人差があります。処理能力を超えると、心のゴミ処理を外部に任せたくなります。

ゴミはゴミ箱に捨てますよね。そこらへんに捨てておいたら部屋が汚れて居心地悪くなります。つまり、ゴミにも収まるべき場所があるわけです。心のゴミも、ところかまわず吐き出していたら、周囲の雰囲気を悪くしたり、自分の評判を落としたりして、自分が居心地悪くなってしまいます。それで、私たちは自分の話を聴いてくれる誰かに吐き出すのです。

ところで、私たちはゴミ箱のことを大切に思っているでしょうか。ゴミ箱がなければ部屋中にゴミが散乱して、とても不快になるでしょう。ゴミ箱がゴミを抱えてくれているので、部屋がきれいなのです。しかし私たちは、ゴミ箱そのものまでゴミのように軽んじていることはありませんか。

同様に、私たちが心のゴミを吐き出す相手についてはどうでしょうか。いつも愚痴を聴いてくれてありがたいと思っていればよいのですが、ともすると聴いてくれるのが当たり前で、聴いてくれないと不満を感じるということになっているかもしれません。このとき、私たちは、相手のことをゴミ箱のように見なしています。自分の不快な感情の捨て場所としか見ていないのです。

本物のゴミ箱なら、それも1つの使い方かもしれません。しかし感情を吐き出す相手は人間です。その人自身の感情や考えがあり、その人にも心のゴミ捨てをしたいときがあるのです。話を聴いてくれることに感謝を示すとともに、相手が心のゴミ捨てをしたいときには、自分の心をその人のために提供する気持ちも必要です。私たちは持ちつ持たれつで生きています。お互いに感謝の気持ちで新しい年を迎えたいですね。