2013年3月の健康便り —健康—

体の不調と天候

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少しずつ寒さも緩み始め、春の気配がちらほら。でも、まだ急に寒くなる日もあり上着は手放せませんね。急な寒暖の差でなんとなく体調が優れないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。学生生活無料健康相談テレホンには「風邪でもないのに調子が悪い。どうしてか。」といった相談が寄せられます。

一般的に病気というと、体のどこかに原因があってそれを治しさえすればよくなる、と考えている人がほとんどではないでしょうか。でも、体調不良の原因は体の内側だけにあるのではありません。寒くなるとけがをしたところがうずく、雨の日は体がだるい、いらいらする、偏頭痛が起こるといった経験はありませんか?喘息やアトピーなどの持病を持っている方なら、天気がくずれはじめると喉がゼイゼイし始める、かゆみが増すといった経験をされたこともあるかと思います。

このように気象の変化と関係があると考えられる種々の病気を総称して気象病と言います。私達の体には、体の内部を一定状態に保つ働きがあり、寒さ暑さなどの気温や天候の変化に対してある程度は生理的に対応することができます。ところが変化が急な場合、体が対応しきれません。気象病は体が対応しきれないときにおこると考えられています。

気象の変化がどのように人の体に影響を与えているのかについては、自律神経に影響を与えるから、低気圧の接近により体がむくみやすくなるから、気象の変化を人の体がストレスと感じるからなど諸説ありますが、はっきりとはわかっていません。ただ、なんとなく調子が悪いときには、そのときの天候や気温がどうだったかなどを意識してみるといいかもしれません。そうすればあらかじめ体の不調が予測でき、気持ちに余裕を持ちやすくなると思います。早めに寝て十分に睡眠をとる、予定を調整して体に無理のないように過ごすなど、対応もしやすいでしょう。天候が悪いときは一般的に体がむくみやすいので、むくみを予防するために水分や塩分の取りすぎに注意するとよいですね。また、血行をよくするためにゆったりした服装を心がける、入浴をする、体を動かす、冷やさないということもよい方法です。もともと病気を持っている人はその治療を行うことが第一ですので、医師の指示に従った治療を行いましょう。

人の体が気温や天候に影響を受けるのは、人間も自然の一部だからなのでしょう。これを機に、私たちが自然と共存し、生かされていることに思いをめぐらせてみるのもよいかもしれません。