健康便り

2013年5月の健康便り —メンタル—

友達ができない

 「友達ができない」というのは、大学生のよくある悩みのようです。大学ではいつもみんなが同じ教室に集まるわけではないので、毎日通っていれば隣の人と自然に仲良くなれる、というわけにもいきません。

 2年生のBさんも、入学から1年たっても友達ができないことに悩んでいました。1年生のときは、いろいろなサークルを回ったり、何人かの人とメール交換したりしてみたのです。しかし、サークルのノリにはついていけず、自分から積極的にメールをするのも悪いような気がして、なかなか「友達」関係に発展しませんでした。ときどき開かれるクラスの飲み会でも端のほうに座り、授業で顔見知りになった人と少し話すくらいで終わってしまいます。Bさんは夜になると実家のお母さんに電話して「まだ友達ができないの」とこぼしました。お母さんから「そのうちできるわよ」と言われると、なんとなく安心するのですが、翌日にはまた、自分しかいない1Kのアパートがやけにガランとして見えるのでした。

 Bさんは引っ込み思案なところがあります。自分から前に出たり、騒いだりすることは苦手で、そんなに出しゃばっちゃいけないという気持ちもあるようです。とはいえ、人との交流を完全に避けているわけではありませんし、みんなの集まりにも顔を出します。ただし、「友達」はいないと感じているようです。

 ある夜、お母さんが電話に出られなかったので、Bさんは学生生活無料健康相談テレホンに電話してみました。カウンセラーは、「みんなはBさんを友達じゃないとは思っていないのでは」と言いました。Bさんには信じられませんでしたが、言われてみると、飲み会には誘われますし、顔を合わせれば挨拶してくれる人はけっこういます。はっきり付き合いたくないと言われたこともありません。Bさんは少しずつ勇気を出して、「まだ深い仲でもないのに」と遠慮しがちだったランチにも、みんなについていくようにしてみました。意外だったのは、「Bさんは一人でいるのが好き」とみんなから思われていたことでした。「遠慮してみんなの中に入れなかっただけなんだ」と打ち明けると、「すれ違いだったのね」と、笑い話になりました。でも、もしもそれに気づかないまま4年過ぎていたら洒落にならない、と思うBさんでした。

 大学では友達付き合いも今までと変わってきます。どんな関係を「友達」と言うのでしょうか。
 正解はありませんが、自分の考えに縛られると、いろんな「友達」が見えなくなってしまいます。
 大学は学問だけでなく、大人の付き合いを学ぶ場所でもありますね。

 ※上記事例は、「学生生活無料健康相談ダイヤル」の複数の相談例に基づいて創作した架空の事例です。