2013年7月の健康便り —健康—

はち刺されに注意!

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 暑い日が続き活動的な季節になってきました。夏休みに戸外のレジャーに出かける機会も多いことでしょう。この季節に気をつけなければならないのがはちです。人を刺すはちは主にスズメバチやアシナガバチ、ミツバチですが、特に殺傷力の強いスズメバチやアシナガバチに刺される被害は7~10月に多くみられます。

 はちは無差別に人を攻撃するわけではありません。人が巣に接近すると、まずははちの威嚇が始まりますが、威嚇を無視したり、巣に振動を与えたりした時などに攻撃してきます。刺されないためには、巣を見つけたらできるだけ近寄らないようにしましょう。巣に気づかないこともあるので、野山や林など樹木が多いところで活動する際はできるだけ長ズボン、長袖シャツを身につける、手袋をはめるなどして体の露出面を少なくしたほうがよいでしょう。また、はちは黒い色に敏感に反応し攻撃する習性があります。黒い服や帽子は避け、白色系を選ぶのがお勧めです。黒い携帯電話やカメラなども狙われやすいので注意してください。香料ははちを引き寄せるので、山野を歩くときにはヘアトニックや香水などの化粧品は控えましょう。ジュースや食べ物にはちが寄ってくることもあります。屋外で食事をする際は、周囲にはちがいないか注意するようにしてください。車内で食事をする時は、はちの進入を防ぐため窓を締めたほうが無難です。

 はちが襲ってきたら、タオルや帽子などで頭髪を覆って顔を伏せ、できるだけ静かに離れるようにしてください。むやみに動かない、騒がないことが大切です。日常生活の中では洗濯物の中にはちが紛れ込み、刺されるケースも多いようです。洗濯物を取り込む際には気をつけましょう。

 万が一はちに刺されてしまったときは、毒針が皮膚に残っていれば、毛抜きでそっと取り除きましょう。セロテープなどを刺された部分に貼ってからはがしても針を取り除けます。爪で弾き飛ばすようにして除去する方法もあります。指でつまむと毒液を注入してしまうので気をつけてください。はらったり、強くこすったりすると針が押し込まれてしまうのでやめましょう。

 針がとれたら、刺された周囲を強く押して毒を絞りだし、水道水で患部をよく洗い流します。部分的に腫れているだけなら、抗ヒスタミン軟膏(かゆみ止め)や副腎皮質ホルモンを塗り冷たいタオルなどで冷やしましょう。アンモニア水や尿は効果がありません。

 症状が治まらない場合は皮膚科にご相談ください。咳、嘔吐、じんましんなどの全身症状がでた場合はすぐに受診を。何箇所も刺されている、呼吸が苦しい、けいれんをおこしているなど症状が重い場合は急いで救急車を呼びましょう。以前はちに刺されて具合が悪くなったことがある場合は、症状が見られなくても受診しておいたほうが安心です。

 正しい知識を持って安全に夏を楽しみましょう。