2013年8月の健康便り —健康—

体のリズムを大切に

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 深夜まで忙しく、ストレスフルな現代では、人間が持っている生体リズムが崩れ、体がうまく対応できないことが少なくありません。学生生活無料健康相談テレホンには、「夜遅くまでアルバイトをしていたら、夜寝つけなくなってしまった」、「毎月生理前になると体調が悪くなり、予定がこなせなくて困る」といった相談が入ります。

 人間の体には、さまざまなリズムがあります。深い睡眠と浅い睡眠を繰り返す睡眠リズム、朝は低く、日中次第に上昇し、夕方に最も高くなる体温リズム、女性におよそ1ヵ月の周期で訪れる月経周期などはよく知られています。これらは人間の体に組み込まれたリズムです。このリズムの中で私達は眠ったり活動したりしています。

 ところが、この生体リズムが崩れると、体の機能がうまく働かず、不眠、倦怠感、頭痛といった不快な症状が出たり、月経痛など、もともとあった症状がひどくなったりすることがあります。場合によっては昼夜逆転や、体がだるくて通学できないなど、生活に支障をきたすこともあります。

 原因としては忙しさによる不規則な生活やストレスの他、夜間のコンビニエンスストアや繁華街の照明、テレビやパソコン、スマートフォンのディスプレイの強い光にさらされることなどが考えられます。生体リズムを調整している体内時計が日没後強い光を浴びることで狂ってしまうのです。

 病気でもないのになんだか調子が悪いと感じるときは、生体リズムを崩すようなことをしていないか振り返って見ましょう。睡眠は夜、眠るべき時間帯にとれていますか? 食事は朝・昼・夕にとっていますか? 寝る直前までパソコンに向かったりしていませんか?

 こういったことを確認してみると不調の原因が見えてくるかもしれません。不調を感じたら、まずは睡眠と食事を整えてみましょう。夜、ぬるめのお風呂につかり、軽くストレッチをしてリラックスする、入浴後は神経を刺激するパソコンやスマートフォンは見ない、間接照明や暗めの照明で過ごし強い光を浴びない、などといった工夫で夜の寝つきがよくなります。忙しくてきちんと食事がとれないときは、合間をみておにぎりやサンドイッチなどを口に入れておきましょう。月経前後に体調が悪くなる女性の方は、その時期に用事をなるべく入れず、ゆっくり過ごすよう心がけるなど、月経周期を見越した予定にしておくと楽に過ごせます。

 体のリズムは誰でも予測可能なものです。自分のリズムを知り、それを乱さない生活を心がけることで、より快調に過ごせるようになります。

 また、年をとると体の機能が低下したり体力が落ちたりします。これも誰にでも起こる予測できる変化です。自分に起こる体の変化を知り、規則正しい生活で体調を整え、運動習慣で体力をつけるなどして、先々の変化に対応できるよう準備しておきましょう。