2013年9月の健康便り —健康—
おしゃべりの話題にしにくいことのひとつに「お通じ」があります。いつもと違うお通じが出て不安を感じても、人には聞きづらくて悩んでいる人は多いのではないでしょうか。学生生活無料健康相談テレホンには、「変な色のお通じが出たが大丈夫か」、「便に血がついていた。悪い病気だろうか」といったお通じに関する相談がよく入ります。
一般的に理想的なお通じとは練り歯みがきからバナナ程度の柔らかさの便で、トイレの中でも形がくずれない状態。表面は粘液で覆われているので、自然ないきみでスルリと出ます。肛門を傷つけたり、周りにべっとりとくっついたりすることはなく、出た後にすっきりした感覚があります。色は黄色から茶褐色。多少緑がかっていても問題ありません。1日に1~2回出るのが理想ですが、2~3日に1回でも周期的に便通があり、排便後にすっきり感があれば心配いりません。皆さんのお通じはどうですか?
下記に気になるお通じの一部をあげましたので、参考になさってください。
ころころ:大腸に長い時間とどまっていたため水分が吸収されすぎたもの。ストレスや疲労をためないようにし、水溶性食物繊維を多く含む食品をとって便通をよくしましょう。水溶性食物繊維は熟した果実やこんにゃく、海草などに含まれる粘性の物質です。
どろどろ・水っぽい:おなかの冷え、暴飲暴食、消化不良、脂肪分のとり過ぎなどが原因で一時的に見られます。胃腸炎など、病気が原因で起こるときもあります。思い当たることがないとき、ゆっくり休んでも症状が治まらないときには無理せず内科受診を。
普段太い便が急に細くなった:大腸にポリープなどができていることがあるので注意が必要です。
黒色:のりやイカ墨などの黒い食べ物を食べたとき、鉄剤などを服薬したときに黒いお通じが出ることがあります。黒いどろっとしたものが出ているときは、胃や十二指腸など上部消化管からの大量出血の疑いがあります。胃酸と血液が混ざることで黒色便になるのです。大量の鼻血や口腔内の出血を飲み込んだ場合などにも見られます。早めに消化器科や内科を受診しましょう。
赤色:トマトなど赤い食べ物をたくさん食べたとき、抗生物質を服薬したときなどに赤っぽい便がでることがあります。それ以外でお通じに血が混じりこんでいる血便は大腸からの出血が疑われ、便の表面に血がついている場合は肛門や直腸などからの出血が疑われます。便に血が混ざったり、ついていたりしたときにはどこからの出血か確認するため、早めに消化器科を受診してください。
灰白色:バリウムの検査を受けたあとに見られますが、食事で脂肪分をとり過ぎたあとに見られることもあります。思い当たることがなければ、肝臓やすい臓、胆道などの病気や胆石の疑いも考えられるので消化器科を受診したほうがよいでしょう。
お通じはその日の体調や精神状態を敏感に反映してくれます。毎日少しの時間でかまいません。お通じの状態チェックで自分の体調を確認してみてはいかがでしょうか。