2014年2月の健康便り —健康—

体の疲れが取れないときには

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 就職活動やサークル活動、アルバイト、試験…。学生生活は何かと忙しい日々が続きます。近年、忙しさのせいか長期の疲労を引きずる人が増えているようです。学生生活無料健康相談テレホンには「疲れが抜けなくて困っている。どうしたらよいか」「休みたいのに眠れない。どうしたら眠れるか」といった相談が寄せられます。

 誰もが感じることのある疲労。たいていはゆっくり休養を取れば解決します。でも、疲れすぎていたり、考え事があったりすると思うように眠れず、休めないこともあります。これは過度に体を動かした、ストレスがある、などで心身を興奮状態に置く交感神経が活発になっているため。このような時は無理に寝ようとせず、まずは心身を落ち着かせることが必要です。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かってのんびりする、温かい飲み物を飲む、本を読むなど、その人に合った方法で気持ちをリラックスさせると、体を休ませる副交感神経が働いて眠りやすくなります。腹式呼吸や深呼吸を意識して行う、ストレッチなどで硬くなった体をほぐすのもいいですね。就寝前にスマートフォンやパソコン、テレビなどを見ると神経が興奮するので控えましょう。

 疲労や倦怠感が続くときには、食事も工夫しましょう。まずはご飯や麺類など体のエネルギーとなる主食(糖質)の摂取が大切です。合わせて豚肉やウナギ、大豆など、ビタミンB1を多く含む食品を積極的にとるようにしましょう。ビタミンB1が不足すると糖質をエネルギーに変えられず疲れやすくなります。にんにく、ねぎ、ニラなどアリシンを含む食品と一緒に食べるとビタミンB1の吸収がさらによくなりますよ。
 また、抗酸化物質(カロテン、ビタミンC、E)を多く含む野菜、きのこ、果物などの植物性食品もとりましょう。過労時は体内の活性酸素が増加します。活性酸素は周囲の細胞を傷つけ、それが免疫力の低下や疲労をひきおこします。細胞を活性酸素の害から守るのが抗酸化物質なのです。中でもカボチャやホウレンソウはカロテンのほか、ビタミンC、Eも多く含むのでお勧めです。

 十分な休養や栄養を取っても疲れが続く場合は貧血などの病気があることもありますので、一度内科を受診してください。内科的な問題がなければ心の病気が隠れている場合があるので、心療内科などの受診も考えてみましょう。原因がわからず、全身の強い倦怠感が長期に続いて社会生活が送れないようなときは、慢性疲労症候群という病気の可能性もあります。慢性疲労症候群は感染症やストレスが誘因となって引き起こされた脳・神経系の機能障害であることがわかってきました。思い当たることがある場合は「疲労外来」という専門外来に相談してみるのも一つの方法です。