健康便り

2014年3月の健康便り —メンタル—

友達の様子がおかしいと感じたら

 大学生になると、一人一人がお互いにあまり干渉しなくなるので、各自が自分のペースで過ごせます。そのため、心や体に不調をきたしている人が周囲にいても、見過ごされてしまうという危険があります。

 Oさんはとてもまじめで、試験前はとりつかれたように勉強するような人でした。そのかいあって成績は良いほうでした。ただ、あるとき友達に「勉強を始めると自分でやめられないんだ。気づくと朝になってるんだ」と漏らしていたことがあるそうです。「それだけ勉強熱心なんだ」と、友達は感心しました。ある友達はOさんに「そんなに一生懸命勉強して、将来は何になりたいの?」と聞いたことがあります。Oさんは「わからないけど大学くらいは出ておかないと」と答えました。その友達は「大学出るだけなら、もう余裕じゃん」と突っ込みましたが、Oさんはただ微笑んで、それ以上なにも言いませんでした。

 Oさんは最近、話しかけても小声でしか返事をしません。まるで聞こえていないかのように返事をしてくれないときもあります。その一方で、何か独り言を言っているように見えるときもあります。「自分の世界に入ってるね」と言って友達が肩を叩くと、Oさんは「いやぁ」と言って笑顔を見せます。試験が近づき、Oさんにノートを借りたある友達は「Oさんってこんなに字が汚かったけなぁ」と疑問に思いました。その友達自身、きちんと授業に出ていなかったので確実なことは言えませんが、どうもOさんがきちんとノートを取っているようには思えませんでした。しかし、借りておいてそんなことを言うのは悪いので、ただ「ありがとう」とだけ言って、ノートをOさんに返しました。このころ、Oさんの着ている服がほとんど変わらないことに気付く人はあまりいませんでした。

 そのうちOさんは大学に来なくなりました。何人かの友達が連絡しましたが、返事が来ないので、やがて連絡も途絶えました。後日、ごく親しかった友達にだけ、「入院していて連絡できなかった」というメールがOさんから届きました。

 どうやらOさんの中で少しずつ心の病が進行していたようです。Oさんは言い表しようのない不穏な感じにずっとさらされていたのかもしれません。Oさんの様子に違和感を持った友達はいましたが、それをあえて口にするのははばかられました。そんなとき、自分たちが直接関わって対処することはできなくても、先生や学生相談室に「友達の様子が心配なんです」と相談してみるという方法があります。もちろん学生生活無料健康相談テレホンでも、そうしたご相談をお待ちしております。