2014年6月の健康便り —健康—

女性にも多い水虫

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 ジメジメとした梅雨の季節、足の指がムズムズとかゆくなることはありませんか? もしかすると、それは水虫かもしれません。男性がなりやすいというイメージがある水虫ですが、最近では若い女性でも悩まされている人が多いようです。就職活動などでパンプスを長時間履く、暖かい季節でもブーツを履くなど、足元が蒸れ、菌が繁殖する状況になりやすいことが要因と考えられています。学生生活無料健康相談テレホンにも「ブーツを脱ぐと足がにおう。水虫か」「水虫が治らない。治療法が知りたい」という相談が寄せられます。

 水虫は俗称で、正確には足白癬(あしはくせん)といいます。白癬は、皮膚糸状菌(白癬菌)という真菌が皮膚の表面を覆う角質や爪、毛に感染しておこる病気です。代表的なものは足に生じる足白癬ですが、手に感染する手白癬、爪に感染する爪白癬もあります。水虫の症状には、指の間の皮がむけたり、白くふやけたりする、足の裏やその周辺に小さな水ぶくれができて強いかゆみが生じる、かゆみは少ないが足の裏全体が固くなる、などがあります。爪に感染すると、爪が白っぽく濁ったり、厚く見えたりするようになります。

 水虫は、すでに感染している人の皮膚や爪から白癬菌がはがれ落ち、他の人の皮膚に付いてうつります。白癬菌が皮膚内に入って感染するには、最低24時間(皮膚に傷がない場合)かかるといわれています。予防のためには足を毎日洗い、よく乾かしましょう。ゴシゴシ洗いは皮膚に傷がついてかえって感染しやすくなります。石けんをよく泡立て、なでるように洗いましょう。同じ靴を毎日履かないようにして靴の中を乾燥させておくことも大切です。足蒸れ対策として5本指靴下を利用してもよいでしょう。水虫は、足ふきマットやスリッパを介して感染することがほとんどです。家庭内に水虫の人がいる場合、足ふきマットやタオルなど洗えるものはよく洗い、共有は控えてください。洗えないものは水拭きしてよく乾燥させましょう。白癬菌はほこりやアカなどと一緒に、ごみのたまりやすい部屋の隅などにもいるので、こまめな掃除も大切です。

 気を付けていても水虫になってしまった場合の治療は、抗真菌薬の塗布や服薬です。症状がなくなっても白癬菌が残っていることがあるので、途中で治療をやめるとまた再発する可能性があります。主治医の指示に従い最後まで治療を続けましょう。水虫と同じような症状でも、実は別の皮膚疾患のこともあります。気になる皮膚症状がでたら自己判断はせず、まずは皮膚科を受診するようにしましょう。