2014年9月の健康便り —健康—

心の病で受診したくなったら

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 いつもは楽しいけれど、ふと不安を感じてしまう。忙しい日々が続いて、力が入らない。何もしたくない。そんなことはありませんか?
 学生生活無料健康相談テレホンには「やる気が出なくて困っている。病気ではないか」「毎日がつまらない。うつ病だろうか」といった相談が寄せられます。

 誰でも嫌なことや悲しいことがあった時には気分が落ち込みます。でも、正常な落ち込みなら楽しいことがあれば気分転換ができますし、好きなことであればやる気も出てきます。疲れがたまって動くのが億劫になっても、睡眠をしっかりとるなどして休息すれば動けるようになります。
 しかし、対処しきれないほどのストレスを経験したり、ストレス状態が長く続いたりすると次第にイライラや不安感を覚えるようになり、気分の落ち込みや億劫さが続きます。一時的な症状であれば様子を見ていても大丈夫ですが、憂鬱な気分が続く、趣味などが楽しめない、食欲の減少、眠れない、疲れやすい、思考力や集中力の低下などの症状が2週間以上続く場合、うつ病などといった心の病気である可能性があります。精神科や心療内科などの専門家に早めに相談しましょう。
 心の病気には様々な症状があります。極端に気分が高まり活動的になりすぎる躁の症状や、幻覚や妄想など統合失調症などの病気でみられる症状、何度も手を洗わないと落ち着いていられない強迫行為などの症状は耳にしたことがあるかもしれません。何かの症状があっても、毎日の生活に支障がなく困っていなければ、必ずしも受診しなければいけないものではありません。ただ、辛さを感じているようであれば受診を検討したほうがよいでしょう。

 精神科、心療内科など様々な診療科目があるが何が違うのか、どこを受診したらよいのかという質問もよくあります。精神科、神経科、精神神経科は同じもので、うつ病や統合失調症、神経症性障害など心の病気を診ています。心療内科は心理的な要因で胃潰瘍やぜんそくなど身体症状が出る、いわゆる心身症を主な対象としていますが、心の病気を診ているところも多くあります。神経内科はパーキンソン病や脳梗塞など、脳やせき髄、神経、筋肉の病気を診る内科です。ここでも心の病気を診てくれることがあります。精神科というと受診に抵抗を覚える人が多いため、様々な形で診療科目が表示されているようですが、判断しにくい場合は直接電話してどんな病気を診ているのか確かめたほうが安心です。それでも受診に抵抗があるという場合は、かかりつけの内科で相談してみてもよいでしょう。
 なお、精神科や心療内科の初診は混み合っていて、予約が取りにくいことも少なくありません。まずは気軽に電話してみましょう。