健康便り

2014年9月の健康便り —メンタル—

自信はどこからくるのか

 大学の授業での発表、就職活動での面接、初めてのアルバイト…。慣れない場面や、何かにチャレンジしようと思った時に、「うまくできなかったらどうしよう」と不安を感じたことがあると思います。
 自信がない状態の時、人は不安や緊張を感じやすくなります。一方、自分に自信を持つことができれば不安や緊張は軽減されていきます。

 しかし、「自信を持てば大丈夫」と言われても、「自信」というのはそう簡単に持てるものでもありませんよね。
 では、「自信」はどんな時に感じることができるのでしょうか?
  何もしないまま、待っているだけで自信を持つことは難しいものです。言い換えれば、初めは自信がなくて当然、不安や緊張を感じるのは当然、ということです。自信がないことは決して悪いことではありません。不安はあるがとりあえずやってみて、「あれ?できた!」と感じることができた時、少しずつ自分なりの「自信」が生まれてくるのではないでしょうか。

 心理療法の一つに「エクスポージャー法」という治療法があります。不安になる状況とあえて向き合わせ、できるところから段階的に乗り越えていくという方法です。
 例えば、不安が強すぎて電車に乗れないという人がいた場合、まずは駅に行ってみることから始めます。「大丈夫」と感じることができたら、次に、改札を通る→ホームに立つ→電車の中に入る→各駅停車の電車で1駅だけ乗る→急行電車に乗る…というように、本人のペースで少しずつ課題をクリアしていくことで、その状況に自分を慣れさせます。いきなり目標行動に挑むことは、不安で到底できないと感じても、段階を踏むことで、一つひとつの自分の行動に達成感を得ることができ、少しずつ自信につながるのです。

 このエクスポージャー法は、誰でも日常生活で手軽に応用できる方法です。例えば、授業での発表に自信がない時に、まずは一人で練習→家族や友人の前で練習→本番に臨む、などです。不安な場面をシミュレーション(模擬実験)してみることで、「自信はないけど、なんとかできそうかな」と、少しだけ気持ちに余裕が出てくることがあります。

 自信とは、「自分を信じる」「自分を信頼する」ことです。「自分にもできる」と思える体験が少なければ、自信は持ちにくいものです。実際やってみて失敗することはあるかもしれませんが、「挑戦することはできた」という事実は残ります。
 「今はできない」と「絶対できない」は別物です。自信がないからと言って、あきらめる必要はありません。「自信」は最初からあるものではなく、小さなことから勇気を出して行動したり、挑戦したりすることで「後からついてくる」ものなのです。