2014年11月の健康便り —メンタル—

SNS疲れ、あなたは大丈夫?

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 FacebookやTwitter、LINE、mixiなど、友人と交流する手段としてソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用している人は多いと思います。
 情報を一斉に共有できる便利さ、懐かしい旧友や同じ趣味の人と触れ合える嬉しさ、いつでも誰かとつながれる安心感…。これらの魅力がある一方で、SNS上の独特の人間関係に振り回されて‘SNS疲れ’を感じる人たちも数多くいるようです。

 大学2年生のアキ子さん(仮名)もその一人です。
 消極的なタイプのアキ子さんですが、友人に誘われて何気なくSNSを始めてみました。
 ある日、「今日の晩ごはん♪」と手作り料理の写真を投稿してみたところ、予想外の大反響。友人たちからの「いいね!」ボタンや、「すごい!おいしそう!」「料理上手だね!」といったコメントが次々と入ってきました。褒めてもらえた快感から気持ちが高揚し、SNS上であれば不思議と積極的にコメントもできます。もっと認めてもらいたいとの欲求から、その後も、おしゃれなランチ、旅行、購入品…ことあるごとにSNSに投稿することが日課になりました。みんなの興味を引く出来事はないか、常にネタ探しで頭がいっぱいです。アキ子さんは、いつのまにかSNSでの関わりの中に自分の居場所を感じるようになっていました。
 同時に、友人たちの反応や行動を過剰に気にするようにもなりました。「他の友達にはコメントがたくさん入るのに、私の投稿にはコメントが少ない…」と孤独感を感じたり、充実感いっぱいの友達の投稿を見ると自分がみじめに思えたり…。コメントをつけてくれた人には、同じようにコメントを返さないと嫌われるのではと不安で、常にスマホを握りしめ、寝る間も惜しんでチェックしています。
 本来楽しむためにあるはずのツールなのに、反応にとらわれすぎて、ストレスばかり溜まってしまう…。知らず知らずのうちに、アキ子さんは‘SNS疲れ’状態に陥っていたのです。

 あなたは、アキ子さんが感じたような気持ちを経験したことはありませんか?
 ‘SNS疲れ’を感じながらも、「周りの話題から取り残されそう」「仲間はずれにされそう」との不安から、仕方なく続けている人もいるのではないでしょうか。
 SNSは、楽しく便利なコミュニケーションツールです。しかし、振り回され、ストレスを抱えてまで無理して続けるものではありません。
 日常生活に支障をきたすようであれば、思い切って退会し、SNSへの執着を断ち切ってしまうのも一つの方法です。SNSを始める前の生活に戻るだけのことです。もし辞めることがためらわれるのであれば、ログインや投稿する頻度、友人の数などに、自分の中でルールを設け、ネット上の交流から少し距離をおいてみるのもよいでしょう。
 SNS上の「友達」や「いいね!」「コメント」の数は、あなた自身を評価するものではありません。「人は人、自分は自分」と割り切って、背伸びをせずに自分のペースでSNSを楽しむことができたらいいですね。

・上記事例は、「学生生活無料健康相談テレホン」の複数の相談例に基づいて創作した架空の事例です