健康便り

2015年3月の健康便り —健康—

出産に適した時期を知ろう

 日本の晩婚・晩産化が進んでいます。女性の平均初婚年齢は29歳、初産平均年齢は30歳を超えました。出産が30代後半から40代前半になる女性も多いようです。しかし、妊娠・出産はいつまでもできるものではありません。若いころの生活習慣が原因で妊娠しにくい身体になっていることもあります。今回は出産に適した時期や妊娠しやすい身体作りついてお伝えします。

 子どもを自然に授かるということだけに目を向けると、妊娠・出産に最適な年齢は20歳代。学校に行ったり、仕事をしたりという社会的な要因も考慮すると、実際的な年齢は25歳から35歳位といえるかもしれません。月経があれば妊娠できると思っている人も多いようですが、一般的に自然に妊娠する可能性は年齢とともに少しずつ減少し、35歳くらいから急激に低下します。35歳前後からは流産率も増加します。40歳を超えると妊娠する確率はさらに減少します。

 妊娠・出産は女性の心身に大きな負荷をかけ、そのストレスは計り知れません。年齢が高ければそれだけ母体に負担がかかり、妊娠高血圧症候群や出産時のトラブルが起こる率が高くなります。35歳以上ではダウン症などの染色体異常が多くなることも知られています。もちろん、35歳以上でも問題なく妊娠し、トラブルなく出産している人もたくさんいます。その一方で、30歳前後でも自然妊娠が難しくなっている人がいるなど、身体の状態には個人差があるので、年齢だけで一概に判断することはできません。でも考慮はしなければならないでしょう。

 最近、妊娠しにくい女性が増えているようです。喫煙や過度のアルコール摂取、性感染症、婦人科系疾患などがあると妊娠する力は弱くなります。人工妊娠中絶はそのあとの不妊や妊娠時のトラブルの原因ともなります。過食や偏食、過剰なダイエットが不妊につながることもあります。妊娠しやすい体を作るためには、バランスの良い食事、十分な睡眠など毎日の生活を規則正しくし、健康でいることが一番大切です。婦人科検診を受ける、基礎体温の測定や月経記録をつけるなどして自分の体を管理・メンテナンスすることも重要です。不妊は女性だけの問題ではありません。不健康な生活、幼少期の病気、成人になってからの糖尿病、射精障害など、男性側の原因で妊娠に至らないことも多々あります。女性だけでなく、男性も自分の身体のメンテナンスを心がけましょう。

 一方女性では20~40歳代において「やせ」が増加傾向になっています。20-29歳の女性のやせは21.5%(※)と男女全世代の中で一番の高さです。やせは月経不順、無月経などの卵巣機能不全を生じることがあり、将来的に不妊の原因になることがあります。貧血や冷え、骨が弱くなるなどの弊害や、拒食症、過食症など、心の病を招く恐れもあります。自分への影響だけではありません。若い女性や妊婦がやせの場合、生まれてくる子どもが将来的に高血圧や糖尿病などになるリスクが高まるとの見方もあります。モデルやタレントのスタイルに憧れて、やせ願望を持つ女性が多いようですが、大半は標準体重の人です。食事を制限するような極端なダイエットや偏った食生活は避け、バランスのとれた食事をとり、十分に体を動かして健康的に体の内側からきれいになることを目指しましょう。

 高齢になってから子どもを望み、高額な不妊治療を受けても妊娠できずにつらい思いをしているカップルも多くいます。学生時代は子どものことなど思いも及ばない人がほとんどかと思いますが、将来子ども持つことを望むのか、望むならいつごろか、そのためには大切なことはなにか、男性も女性も一度考えてみてはいかがでしょうか。