健康便り

2015年5月の健康便り —メンタル—

飲めないお酒を勧められたら

 大学次郎さんは大学に入学して1か月。学生生活を充実させるために友達を増やそうと、サークルに入ることにしました。今日はそのサークルの新入生歓迎会です。みんなで居酒屋に入ると当然のようにお酒が出され、先輩も飲むように勧めてきます。次郎さんは、幼い頃からお酒の匂いをかいだだけで気分が悪くなってしまう体質なので、もしお酒を飲んだら大変なことになってしまうでしょう。「大丈夫だよ!新歓コンパなんだから、みんなで楽しく飲もうよ!」先輩はこんなふうに声をかけてくれます。

 「本当は飲みたくないけど、これから楽しくサークルでやっていくためには、飲まなきゃならないのかなぁ…」

 初めてお酒を勧められた次郎さん、困ってしまいましたね。そもそも未成年はお酒を飲んではいけませんが、先輩から勧められたら断りにくいものです。まずはお酒について考えてみましょう。

 お酒を飲むと陽気な気分になり、コミュニケーションがとりやすくなります。開放的な気分になるので、人間関係が深まることもあるかもしれません。

 しかし、お酒は怖いものでもあります。急激に大量のお酒を飲むと、急性アルコール中毒という状態になることがあります。意識はもうろうとなり、呼吸状態も悪化。最悪の場合は死に至ることも。また、飲酒の席で飲みたくない人、飲めない人にお酒を無理やり勧めると、アルコールハラスメント(アルハラ)という問題も起きます。先輩が、この後次郎さんに無理やり飲ませてしまったら、アルハラ問題です。日本はお酒を飲むこと、飲ませることに寛容なところがあるので、次郎さんのようにお酒を勧められて困ってしまう人がいることへの理解はまだまだです。

 こんな時はどうしたらいいのでしょうか。大切なのは自分の中に判断するための価値基準を持つことです。今回のような場面では、“他人の利益も尊重するけど、まずは自分自身の利益や目標を優先させる”といった価値基準を採用するのがいいかもしれません。次郎さんの目標は、「サークルに入って友達を作る」というものでした。先輩の勧めを尊重して飲めないお酒を飲んでしまったら、先輩は喜ぶかもしれませんが、自分の健康が損なわれてしまいます。健康を損なうのは不利益なことです。しかも酔っぱらって醜態をさらしてしまったら、“友達を作る”という目標からも遠のいてしまいます。

 さて、次郎さんは考えた末、お酒は飲まないことにしました。でも、ただ断ってしまうのは先輩に失礼なので、今流行りの一発芸を披露することで場を盛り上げることに成功。自分の利益を守りながら先輩を立て、友達を増やしたいという目標にも近づいたわけです。やったね!次郎さん!