2015年7月の健康便り —健康—

傷あとが気になる時は

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 はぁーっ。花子さんは深いため息をつきました。友人から海へ行こうと誘われたのです。実は花子さん、春に自転車で転倒したときの傷あとが腕や足にまだ残っています。水着になったらやっぱり目立つかな。これさえなければ思いっきり楽しめるんだけど…。

 花子さんのように怪我や火傷の傷あとを気にしている人は意外に多いのではないでしょうか。傷あとにはさまざまなタイプがあり、タイプそれぞれに目立たないようにする治療法があります。下記は治療の一例です。

<赤みが強いなど色が濃い>
色が目立つときは、レーザーや軟膏の使用などで症状を軽減する。

<周りの皮膚に比べ、色が抜けている>
傷口をきれいに治す薬の内服やレーザーなどのほか、表面を削り取り、正常な皮膚を植える治療法などもある。

<盛り上がっている、へこんでいる>
手術で取り除くなどして特別な方法で縫合する。広範囲の場合は植皮の方法がとられることも。傷の種類によっては軟膏やテープ剤の使用などで治療が行われることもある。

<タトゥーを消したい>
レーザーや手術による切除などで目立たないようにする。

 傷あとの種類や大きさ、色によって治療法はさまざま。審美目的であれば自費診療となることが多いので、費用面での検討も必要です。場合によっては保険適用で治療できることもあります。傷あとを完全に治すことは難しいのですが、傷あとを隠すメークなど、目立たなくする方法を病院で指導してくれることもあります。

 命にかかわることではありませんが、傷あとが残っていると気持ちに影響を及ぼすことはあります。気になる場合は、皮膚科や形成外科、美容外科などで相談してみてはいかがでしょうか。

 さて、花子さんはどうしたでしょう。せっかくのお誘いです。海には行きたいなぁ…。しばらく悩んだ末、「とりあえず相談してみよう!」と、形成外科に予約をしてみました。勇気を出して一歩を踏み出した花子さん、何か素敵なことがあるといいですね。