2015年7月の健康便り —メンタル—

自分を知ろう!

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 次郎さんは、大学の授業や生活に慣れ、気軽に話せる友達も増えてきました。サークル活動も楽しくて順風満帆です。でも、先日友達と話していたときのことです。

友人A:「俺は将来、外資系を目指しているんだ。だから、小学校のころから英語会話ならってたんだぜ」
友人B:「僕は研究者になりたい。だから大学院に進むつもりだよ」

 先月お父さんから「目標を持て」と小言を言われたばかりの次郎さん。将来のことを思い描けないのは悩みの種でしたが、友達の話を聞いてますます焦りの気持ちが強くなってしまいました。

「どうしよう! ひょっとして、将来のことを考えていないのは僕だけなの!? そりゃあ、職には就かなきゃならないだろうけど、別にやりたい仕事なんてないよ。それなりに給料をもらえれば高望みはしないんだけどな…。でも…、僕にはいったい何ができるんだろう?」

 さあ、困りました。自分を知るためにはどうすればいいか、一緒に考えてみましょう。

 自分に対する理解を深めるためには、「今現在の自分自身の姿」を知ることが大切です。そのためには、自己紹介文を書いてみるといいかもしれません。自己紹介をするときには、自分の趣味や特技、こだわりや信念、過去にやってきたことなど、今の自分をかたち作っている要素をあげていきますよね。目に見えるかたちに書き出すことで、自分の特徴を知るきっかけになるでしょう。

 また、自分の性格を知ることも大事です。よく使われる心理検査にエゴグラムというものがあります。これは、50問ほどの質問に答えていくことで、厳格さ、温かさ、冷静さ、自由奔放さ、従順さなど、今の自分の性格傾向を把握することができます。

 どんな職業への適性があるかを探るには、職業適性検査を受けるという方法もあります。代表的なものとしては厚労省編一般職業適性検査(GATB)というものがあり、すでに進路相談などで受けたかもしれませんね。

 このように、自分で内省する、客観的に測定するなど、さまざまな方法があります。

 でもね、次郎さん。自分を知るためには、何よりも経験を積み上げることが大切です。興味を持った授業を履修してみる、友達との遊びやサークル活動に打ち込むなど、日々の生活がそのまま自分を知ることにつながるものです。時には周りの友人が意識の高い人のように見えてしまい、不安な気持ちになることもあるかもしれませんが、まずは日々の大学生活を大切にしてみてくださいね。