2016年10月の健康便り —メンタル—

はまっている行動をやめたいときの対処法

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 「ごめん、ちょっと遅れる」とM君からゼミのグループLINEが入り、次郎さん達は“またか…”と溜息をつきました。M君は遅刻の常習犯。対戦型のゲームにはまってしまい、寝る間も惜しんでやり続けています。約束の時間に1時間近くも遅れてきたM君は顔色も悪く、目は真っ赤に充血していました。一緒に待っていたA君やS君も呆れ顔です。

 「昨日から16時間ぶっ続けでゲームしちゃってさ、気がついたら寝てた」とつぶやくM君。さすがの次郎さんも「いい加減にやめたら?」ときつい口調になってしまいました。「ごめん、やめようと思ってるんだけどさ…。負けると悔しいから勝つまでやっちゃうし、勝てば次のステージに進みたくなるし、途中でやめられないんだよ…。どうしたらいいか自分でも分からないんだ…」と落ち込んでいるM君を見かねて、“どうしたらゲームをやめられるか”次郎さん達も一緒に考えてみることにしました。

 M君の話を詳しく聞いていくと、これまでもゲームをする時間を決めたり、対戦型でないゲームにしたりとやめる工夫はしてきたそうです。しかし、一人だとついついやり続けてしまう意志の弱さを、自分ではコントロールできないとのことでした。
 「でもさ、今日みたいに約束があれば、頑張ってやめるよ。結局、寝坊しちゃったけどね」と苦笑いを浮かべながら言い訳をするM君。次郎さんもゲームは好きなので、夢中になったらやめられない気持ちも分かります。暇な時間をつぶすにはもってこいのアイテムだし、“適度”に楽しめれば、寝不足で体調を崩したり、遅刻を繰り返したりせずに済むのです。

 4人でいろいろなアイディアを出し合いましたが、最終的にM君ができそうだと思ったのは、次の3つのことでした。

 「とにかく時間を決めて、いったんゲームから離れて気分を変えてみるよ」とM君は約束しました。M君の遅刻がなくなれば、お互いに嫌な思いをしなくてもすむので、次郎さん達もできる限りサポートすることにしました。

 意識しても自分ではなかなか変えられない行動を変えたいときには、周りの人に少し協力してもらったり、全く違う“行動”に置き換えてみたりすると効果的な場合があります。皆さんも一度、試してみてください。