健康便り

2016年11月の健康便り —健康—

親知らずに気をつけて

 あ、痛ッ-。花子さんは頬を押さえました。最近、奥歯の辺りが頻繁に痛みます。歯磨きは食後に必ずしているのに、虫歯かな。歯医者に行くの、いやだなぁ。
 歯の痛みはつらいですね。奥歯のかみ合わせや歯と歯の間などは虫歯になりやすいものです。でも、もしかするとその痛み、親知らずの痛みかもしれませんよ。

 親知らずは智歯とも呼ばれ、概ね10代後半から20代前半に上下左右の一番奥に永久歯として最後に生えます。元々親知らずがない人もいれば、顎骨の中に埋まったまま生えてこない人もいます。
 親知らずは最後に生えることもあって、顎のスペースが不足しがちです。歯が半分しか生えてこない、埋まったまま出てこない、など正常に生えない例が多く見られ、そのために様々な弊害を引き起こします。例えば、歯の一部だけが出ている親知らずの周囲は不衛生になりやすく、歯肉の炎症が起こりがちです。これを智歯周囲炎と呼びますが、親知らずが生え始める大学生の年代でよく見られます。また、磨きづらい位置にあるため、虫歯になりやすかったり、歯が生える時に、周囲の歯肉や隣の歯を圧迫して痛みが出たりすることもあります。親知らずが通常と異なる方向に生えてくると、他の歯を圧迫してかみ合わせに影響を及ぼすこともあるのです。

 一般的に親知らずのトラブルが生じた場合、智歯周囲炎では局所の洗浄や抗菌薬、消炎鎮痛薬の投与などで治療します。虫歯であれば虫歯治療を行います。抜歯が勧められることがあります。次はその一例です。

  • 親知らず、あるいはその手前の歯が虫歯になっている。
  • 親知らずが斜めや横向きに生えている。
  • いつも食べ物がつまる、歯肉の痛みや腫れを繰り返す。

 親知らずの抜歯は、場合によっては全身麻酔や入院が必要になることもあり、抜歯後はしばらく痛みや腫れが続きます。特に下顎の親知らずの抜歯後は腫れることが多く、痛みも出やすくなります。就職してからでは、歯の治療のためにまとまって休みをとるのは簡単ではありません。奥歯の辺りに違和感や痛みがあるようなら、症状は軽くても、休みを取りやすい学生の時期に早めに歯科で対応しておいた方が賢明です。

 歯科を受診した花子さん。痛みの原因はやはり親知らず。医師の勧めで抜歯しました。部分麻酔による短時間の処置でしたが、帰宅後は顔が腫れ、痛くて眠れないほどです。鎮痛剤を服用しましたが、それでもあまりの辛さに、翌日は学校をお休みすることにしました。早めに治療できてよかったですね。