2017年2月の健康便り —健康—

急な腹痛、どうしよう

イメージ

 天気の良い日曜日、花子さんは次郎さんに誘われ遊園地に遊びに行きました。ジェットコースター大好きの花子さん、何に乗ろうかな〜と考えていると…。突然、一緒にいた次郎さんがお腹を押さえました。顔を見ると、顔は真っ青。とても辛そうです。どうしよう。

 「大学生協の保障制度から見た大学生の病気・ケガ・事故2015年度版」によると、共済金支払いのうち、病気入院で多いのは消化器系疾患・呼吸器系疾患。そのうち消化器系疾患で多いのは歯の発育および萌出異常、急性虫垂炎、胃腸炎などです。次郎さんの急な腹痛はもしかしたら急性虫垂炎? 今回は急性虫垂炎について取り上げます。

 急性虫垂炎は俗に盲腸(盲腸炎)と言われますが、実は右下腹部にある盲腸の先についている虫垂という部分の炎症です。人間の虫垂は退化しており、免疫にかかわる器官だとも言われていますがほとんど何の働きもしていません。
 症状としては、初めはへそやみぞおちのあたりが痛みますが、化膿してくると痛みは徐々にひどくなり、多くは右下腹部に痛みが移ってきます。発熱や食欲不振、吐き気やおう吐などの症状を伴うこともあります。
 炎症が軽い場合は抗生物質の投与により治療することができますが、症状が進むと手術が必要になります。特に虫垂が破裂するとたまった膿が腹腔内に散らばり、化膿性腹膜炎を併発するなどの危険性があるため、手術を行う時は診断がついたその日、緊急的に行われるのが一般的です。
 発症初期であれば手術も困難ではありませんが、放置すると手術も難しくなり重篤な状態になる可能性があります。強い腹痛の時は無理せず、早めに外科や消化器科を受診しましょう。

 次郎さんの急変に困った花子さん。次郎さんをベンチに休ませ、学生生活無料健康相談テレホンに電話をかけました。以前相談をしたことがあり、電話番号を登録していたのです。そこで、遊園地であれば医務室があることが多く、病院を案内してもらったり救急車を呼んでもらったりできる、スタッフに声をかければ対応してもらえるなどのアドバイスをもらいました。気が動転していた花子さんでしたが、相談をしたことで少し気持ちを落ち着かせることができました。早速、近くのスタッフに声をかけ、動けない次郎さんのために救急車を呼んでもらうことになったようです。早く良くなるといいですね。

 とっさのときには相談相手がいると安心できます。共済に加入されている方はお守り代わりに、ぜひ学生生活無料健康相談テレホンの電話番号をスマートフォンに登録しておいてください。被共済者番号を聞かれるので、そちらのメモもお忘れなく。