2017年4月の健康便り —メンタル—
4月から3年生になった次郎さん。「今年は就活も始まるし、4月から何か始めよう」とぼんやり考えています。部屋を見渡すと、途中で使うのをやめた参考書や数回使った趣味の道具がいくつもあります。
「何かを続けるって難しいな。今年こそ何かを達成したい。どうしたら続けられる目標を立てられるのだろう」次郎さんは目標の立て方に悩んでいます。
新年や新年度に立てた目標を途中で諦めてしまい、「どうせ僕は(私は)できない」と考えて自信を失ってしまう。皆さんもそんな経験はありませんか。心理学では、こうしたとき、目標達成の邪魔になる行動が習慣づいていると考えます。したがって、何かを達成するには、目標にたどり着けるような行動の習慣を身につけるようにすれば良いと考えるのです。
早速、次郎さんと一緒に「目標にたどり着けるような行動を習慣にする方法」を考えてみましょう。ここでは、「部屋をきれいにする」ことを例に考えてみます。
1.やりたい(達成したい)ことの確認:まずは、目標を明確に紙に書いてみましょう。
(×)「みんながほめてくれる部屋にする」
(○)「自分が不快に感じない部屋にする」
(×)「モデルルームのような部屋にする」
(○)「床に物が散らかっていない部屋にする」
2.現状できていることの確認:現時点でできていることを紙に書いてみましょう。
(×)「夜食を控えてごみが出ないようにしている」
(○)「ごみはごみ箱に入れている」
3.小さな目標の設定:現状と達成したい目標とのギャップを埋めるため、「今できる最も小さな目標」を考えて実行してみましょう。
4.振り返り:1〜3を振り返りましょう。
ここでは「できていること」と「できていないこと」に気づくことが大切です。できていなければ、より達成しやすい小さな目標を設定します。
「なるほど。今までは、難しい目標とか曖昧な目標を結局達成できずに自信を無くしていたけど、こうして実験するみたいに小さな目標を積み重ねていけば、大きな目標も達成できるかもしれない。目標が達成できないのは、自分ができないからではなくて、一度にやろうとする目標が大きかったからだ」と、目標の立て方を反省した次郎さんなのでした。