2017年9月の健康便り —健康—
短期留学や消防署での普通救命講習など、とても充実した夏休みを送った花子さん。学校が始まり、次郎さんと一緒に校内を歩いていました。すると、次郎さんの友人、美咲さんとばったり。嬉しそうに美咲さんと話す次郎さんを見て花子さんは落ち着きません。おしゃべりしながら一緒に歩いていると、次郎さんが何かにつまずいて転んでしまいました。ハーフパンツから出ていた膝がすりむけてかなり血がでています。「消毒しなきゃ!」とあわてる花子さんに、美咲さんは「水道でよく洗い流せば大丈夫」と落ち着いた様子。本当にそれだけでいいの?
花子さんが子どもの頃は、転んですり傷をつくると、お母さんが消毒薬で消毒をしてガーゼや絆創膏をあててくれました。しかし近年では、傷を消毒しない、乾かさない「湿潤療法」という治療方法が注目されています。
湿潤療法はすべてのケガに対応できるわけではありません。また、正しい方法で行わなければ感染を引き起こしてしまう場合もあります。湿潤療法用絆創膏の使用説明書をよく読み、自分で手当てをしても痛みや腫れがひかない、化膿した場合は必ず医療機関を受診しましょう。
美咲さんは次郎さんを連れて近くの水道まで行き、流水で傷口を洗い流しました。傷口をこすらないように水分を拭き取とると、きれいなハンカチで傷を覆いました。「とりあえずこれでよし。絆創膏は持ってないから、保健室行こう」と優しく声をかける美咲さん。次郎さんの顔は真っ赤です。花子さんの頭の中は真っ白。どうする花子さん!