健康便り

2018年5月の健康便り —メンタル—

悪徳就活塾にご用心

 最近、1社から内定をもらったことで、さらに就職活動への意欲が増している次郎さん。志望する食品会社ではありませんでしたが、内定が得られてホッとしています。内定のために必要なことも何となくわかり、気持ちにも余裕が出てきたので、楽しみながら就職活動をしています。来週は、業界研究を兼ねて朝から築地の市場を「視察」する予定です。

 授業が終わり、キャンパスを歩いていると、ベンチにぽつんとひとりで座っている和也さんを見つけました。和也さんは入学当初からの仲で、お互いに厳しい意見も言い合える信頼できる友達です。最近は就職活動で忙しく、顔を合わせていなかったのですが、しばらく連絡がないので、「うまくいっていないのかな」と次郎さんも気になっていました。

 「和也、久しぶりだね」和也さんの好きな海鮮丼の話題を振っても、和也さんの表情は曇ったままです。話を聞くと、一次面接より先に進めないため、わらにもすがるような気持ちで就活塾の体験授業を受けたところ、「気合が足りない」と怒られてしまったというのです。しかも、その就活塾の授業料は36万円と高額で、勧められるがまま消費者金融から借りることまで考えているようでした。和也さんは現状を冷静に判断しているとは言えない状況で、次郎さんも心配です。

 「僕は就活って、会社のことを理解して、それでも働きたいと思える会社に、自分の気持ちや考えを理解してもらうってことだと思う。これは気合とかではなくて、企業や業界の研究と自己分析が必要で、僕もその両方ができたとき、初めて内定をもらうことができたんだ。きっと和也も企業のこと、自分のことをしっかり理解して、伝える練習をすれば大丈夫だよ。そのために必要なことがあれば僕も手伝うし、就活塾に行かなくてもキャリアセンターで十分なサポートが受けられるよ」
「そっか。じゃあ、まずはキャリアセンターに相談してみるよ。それに、なんだかとにかく内定とらなきゃいけないって気持ちばかり焦って、会社や自分の理解が不十分だった気がする。ありがとう」

 和也さんのような就職活動で悩む学生の気持ちに付け入り、高額な授業料をとる悪質な就活塾が存在します。その手法としては、合同企業説明会場の外でアンケートなどを通して学生の連絡先を聞き、体験授業などに招待します。体験授業を受けた学生には、入塾しないと内定をもらえないかのようなイメージを植え付け、長時間入塾を説得し続けることもあります。授業料支払いのために消費者金融から借金をさせることもあるようです。
大学内の就職支援窓口では、学生のために就職活動のスケジュールや就職先を学生と一緒に検討してくれます。知らない企業のアンケートには答えない、連絡先は教えない、などといった悪徳就活塾への対処法も教えてくれるなど、頼りになる存在ですから積極的に利用しましょう。

 翌週、2人は気分転換に築地にやってきました。
「次郎も大盛でいいよね」
「いや、今日は…」
「すみません!海鮮丼大盛2つ!」
「え…食べきれるかな」
いつもの和也さんらしさが戻ってきたことに安心しながらも、大盛の海鮮丼を食べきるのに苦労した次郎さんでした。