2019年1月の健康便り —メンタル—

発達障害かもしれないと思ったら!

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 大学生活も残りわずか。学校からの帰り道、次郎さんはゼミの後輩である杉本君と、ばったり出会いました。「杉本君も今帰り?」次郎さんから声をかけてみたものの、なんだか杉本君の元気がありません。どうやら、これから本格的に始まる就職活動に不安を抱えているようです。

 「次郎先輩、僕、就職どこも受からないかもしれません」そう切り出した杉本君は、次々と話し始めました。「この年末年始、時間があったのでSPIの参考書を買ってやってみたんです。割とスラスラと解くことができたので、筆記試験は問題ないと思います。ただ、面接が不安です。普段学校で友達と話しても、僕の話をあまり理解してくれません。聞き流されることが多くて困ってます。今日も、お前は自分のことばかり話して人の話を聞かない、空気を読めないなんて言われました。腹が立ったので、無視して帰ってきました。コミュニケーションが苦手なのはわかってるんですけど、そんな風に言われたら僕だって傷つくんですよね。このままだと、面接でも空回りしそうで、受かる自信がありません。」

 杉本君のように、人とコミュニケーションを取ることが苦手だと感じている人は少なくないでしょう。こういった人の中には、人間関係でトラブルを抱えやすい場合もあり、「相手の気持ちがつかめない、場にあった行動がとれない」「考え方に偏りがある」「言葉の使い方を誤り、会話がつながらない」「興味や行動にこだわりがある」といった特徴があると言われています。勉強は得意でも、就職活動のつまずきをきっかけに、「もしかして…」と疑問を感じ始める人もいるようです。

 「僕、自分みたいな人が他にもいるんじゃないかと思って、ネットでいろいろ調べたんです。そしたら、発達障害の人の特徴に自分が当てはまっていることがわかりました。もしかして僕もそうなんじゃないかと思ったんです。こういう時って、病院に行ったら良いんですかね」

 そう杉本君に聞かれた次郎さんですが、どうするのが良いかわかりません。「僕には、杉本君が病院に行ったほうが良いかどうかはわからないよ。でも気になるなら、前に僕が悩んでいた時に電話で相談したところで一度話してみたらどうかな。いろいろ聴いてくれたし、話しやすかったよ。大学生協の共済入ってる?」そう言って次郎さんは、「学生生活無料健康相談テレホン()」という相談窓口を杉本君に紹介しました。

 「次郎先輩、ありがとうございます。今日にでもかけてみます」そう言うと杉本君は、手にしたスマホで、早速窓口の電話番号を調べ始めました。 
 「あ…杉本君、僕、番号知ってるよ…」そうつぶやく次郎さんの声は、スマホに集中する杉本君の耳には届かなかったようです。

大学生協の共済に加入している学生と保護者のためのこころとからだの相談窓口