健康便り

2019年8月の健康便り —健康—

これって、胃腸炎?

 2年生の杉山さんは春から飲食店のアルバイトをしています。夏休みになり、連日シフトに入るようにアルバイト先の責任者から言われ、毎日深夜まで働いていました。昨日は外出前に急に胃が痛くなり吐き気もしたので、休ませて欲しいと電話で伝えると、「この忙しい時に、勝手に休まれたら困るよ」と叱られてしまい、無理をして働きました。

 今日も胃の痛みと吐き気が続き、どうしたらよいかわからず大学の健康管理センターに連絡をすると、看護師のモモセさんに電話をつないでもらえました。
 「胃腸炎は夏に流行するものと冬に流行するものがあるけれど、気温と湿度が高い今の時期は要注意よ」と、モモセさんは夏に多い食中毒について説明しました。食中毒の原因菌は、腸炎ビブリオ(刺身、生の魚介)、サルモネラ(卵や卵の加工品、加熱不足の肉)、黄色ブドウ球菌(おにぎり、いなりずし)、大腸菌(加熱不足の肉、生野菜)、カンピロバクター(鶏肉)など、さまざまです。

 予防のためには、次のことに気を付けましょう。

  • 原因菌を食べ物につけないよう、調理前や食事前の手洗いをしっかりする
  • 調理器具はよく洗って乾燥させ、清潔を保つ
  • 食品は購入時に保冷剤や氷で冷やしながら持ち帰り、帰宅後すぐに冷蔵庫へ入れる
  • 食品の保管時は肉や魚と、生食する野菜が触れないようにする
  • 多くの細菌は熱に弱いため、よく加熱調理する

 嘔吐や下痢を繰り返すときは胃腸を休めるために飲食を控えて様子を見ます。吐き気が落ち着いたら少量ずつ水分補給を繰り返し、脱水を予防します。水分補給を続けても吐き気が起こらなければお粥など消化に良いものを選んで少しずつ食事を始めましょう。激しい腹痛、発熱、脱水症状がある時は早めに内科を受診しましょう。

 モモセさんに家やアルバイト先での食事内容について聞かれた杉山さんは、最近食欲がなく、飲み物やゼリー、ヨーグルトなどしか口にできなかったけれども、いずれも消費期限内で保存状態も問題ない、と伝えました。
 「食中毒の可能性は低そうね。最近忙しくて疲れているとか、ストレスを感じることでもあったかな?」モモセさんは、杉山さんの生活の様子を細かく聞いてくれました。「杉山さん、働きすぎ!! そんなにアルバイト頑張ったら、誰だって疲れて食欲がなくなっちゃうよ」
 杉山さんは以前から緊張やストレスで腹痛や下痢を起こしやすかった事を伝えました。モモセさんはストレスの可能性も考えて心理相談を案内、さらに体調不良にもかかわらず休ませてくれなかったアルバイト先のことについては学生相談室に相談するよう勧めました。
 「ありがとうございました」と答えた杉山さんの声は、心なしか明るいトーンに変わっていました。