2020年6月の健康便り —メンタル—

就職活動への不安に備える

イメージ

 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、健康管理センターの相談室では対面カウンセリングではなく、電話やメールなどで相談を受けることに。心理カウンセラーのキムラさんが、電話相談の予約表を見ていると電話がなりました。

 相談者は3年生の谷口加奈さん。「第一志望の会社のサマーインターンシップが中止になってしまいました。昨日、その連絡がきてがっかりです」と落ち込んだ声に、悔しさが込められていました。「こんなことになるなんて、誰も予想できなかったものね。悔しいのも当然だと思うよ」企業研究やインターンシップのための準備をしてきた谷口さんの努力が発揮できる機会もない現状に、キムラさんも胸が痛みました。

 新型コロナウイルスの感染拡大は就職活動に大きな影響を与え、不安や焦燥感を訴える相談が多くなっています。企業説明会や就活イベントは延期や中止になってしまい、3~4年生の就職活動は予想以上に難航しているようです。そのうえ「3つの密」を防ぐために不要不急の外出自粛が要請され、大学は休校になり、友達とも会えないことで孤立感を深め、心身の不調を抱える学生達も増えています。こうした中で就職活動をしている学生達に、キムラさんは次のようなアドバイスをしています。

・自分自身が感染しないことが最優先
就職活動本番の時期にコロナウイルスに感染していたら、数週間は身動きがとれません。
そうならないためにも食事や睡眠を十分にとって、体調管理に努めましょう。
・企業が行なっているオンライン対応を活用する
オンラインやリモートでの面接や座談会の方が、生身の対面より緊張しないこともあります。その時に備えてインターネット環境を整え、考え方を柔軟にして臨みましょう。
・不安を避けて、リラックスタイムをつくる
テレビやインターネットから多くの不確かな情報に触れることで、不安はさらに大きくなります。テレビやスマートフォンの電源を切って、リラックスタイムをつくりましょう。
・「今」しかできないことに目を向ける
延期や中止で失ってしまった機会は、発想を変えると他のことを獲得するチャンスにもなります。空いた時間を利用して、異業種・異職種にもアンテナを張り、就職活動の幅を広げてみましょう。

 「就職活動は始まったばかりだし、時間が経てば今の状況も変わっていきますよね。私、コスメの商品開発とか企画に興味があったんですけど、ちょっと方向性を変えて他の会社の情報も集めてみます。それから、お昼のワイドショーはもう見ませーん」と笑いながら谷口さんは言いました。
 少し元気を取り戻した谷口さんの声に安心したキムラさん。「今、話したことはセンター通信にも書いてあるから、後で読んでね」と、健康管理センターが毎月発信しているメルマガを紹介して相談を終えました。