2021年6月の健康便り —健康—

体を適度に動かして肥満を予防

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 大学2年生の矢沢美久さんはバスケットボールサークルに入っており、以前はよくバスケットを楽しんでいました。今は皆で集まることも難しく、ちょっとした運動もなかなかできません。先日大学へ行くと、サークルの森下智子さんに久しぶりに会いました。「ねえ、矢沢さん、ちょっと太ったんじゃない? 私も自粛生活で3kg増えちゃった」と森下さん。矢沢さんが自宅に帰って体重計に乗ってみると1年間で5kgも太っていました。矢沢さんは焦って健康管理センターの看護師モモセさんへ電話しました。

 コロナによる自粛生活で体重が増えたという人は多いでしょう。太ったからといってすぐに何かの病気になることはありません。しかし、糖尿病や高血圧、脂質異常症、脳血管障害や心血管障害など生活習慣病をはじめとする多くの疾患につながります。肥満をそのままにしておくと、今後大きなリスクが生じる可能性があります。肥満かどうかはBMIで判断します。BMIは[体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)]で計算します。日本肥満学会によると18.5未満は低体重、18.5~25は普通、25以上は肥満です。太る原因には、運動不足や飲食、飲酒の増加などがあります。また、ストレスを感じると食欲を抑えるセロトニンの働きが悪くなり、余計に食べてしまうということもあります。食生活を見直すとともに、新しい生活様式の中で意識的に体を動かしましょう。ポイントは以下のとおりです。

 早朝の散歩や階段の使用、ながら筋トレやながらストレッチは効果的です。天気や自分の体調と相談しながら、毎日、少しずつ運動の時間を増やしていきましょう。

 「ずっと雨が続いていたけれど昨日は晴れていたので、朝少し散歩してみました。とてもさわやかで気持ちが良かったです。ずっと自宅にいると気持ちが滅入りますが、よい気分転換になりました」と矢沢さん。「厚労省では1日60分体を動かすように勧めているけど、急には難しいよね。まずは普段より10分多く体を動かそう、と言われているから、少しずつ始めてみるといいね。食事も野菜やたんぱく質をしっかり摂って、バランスよく食べるようにね」とモモセさんが伝えると、「じゃ、1駅先のスーパーに徒歩で行ってみます!」と元気に出かけた矢沢さんでした。