健康便り

2021年6月の健康便り —メンタル—

太ることへの恐怖感

 2年生の佐藤朋子さんが、うつむき加減で健康管理センターの相談室に入ってきました。「どう話していいか…」と言葉につまりながら、ゆっくりと話し始めました。

 「家にいることが増えて、太っちゃって。ダイエットしないと…と思うと、食べることが怖く感じるようになってしまった…」話を聴いた心理職のキムラさんは内心、そんなに太っているようには見えないけどね、と思いつつ、佐藤さんの中にある太ることへの恐怖感を受け止めるように、彼女のペースを尊重しながら話を聴きました。

 新型コロナウイルス感染症の流行から1年以上が経過しましたが、全国的にまだまだ落ち着かない状況。気軽に外に遊びに行くこともできず、家で過ごす時間が増えています。今までであれば、通学や遊び、部活やサークル、バイトなど、外に出ることが適度な運動になっていました。しかし、それらが減り、意識的に体を動かさないと運動不足になってしまう状況です。

 佐藤さんは、毎日のコロナ関連のニュースに不安をあおられ、オンライン授業ばかりで思っていたような大学生活と違っていたり、大学に通えず友達ができなかったり…ということから、勉強に集中するのも難しいと感じているようです。また、体を動かさなくても食べる量を減らしてみたら最初は目に見えて体重が減っていくのが嬉しかった、とのこと。今も一日に何度も体重を測っては、一喜一憂している様子が伺えました。「この1年で太ってしまった分はなんとかしたい」と言う強い気持ちが、佐藤さんに「今日は何を食べる? 何を食べない? 食べちゃいけない?」と常に考えさせ、それが徐々に食べることへの恐怖に移行してきたのではないかとキムラさんは思いました。

 キムラさんは、佐藤さんの「食べることが怖い」という気持ちを受け止め、それに自ら気づいて相談に来てくれたことを、「よかった」とねぎらいました。そして「一人暮らしを始めてからずっとコロナ禍で、食事を一人ですることが多くて大変だよね。今はどんな食事しているのかな?」と問いかけました。「食べることってやっぱり喜びの一つだし、どうしたら安心して食べられるようになるか、一緒に考えてみましょうか」と伝えました。
 少し明るい表情を見せた佐藤さん。健康管理センターには、健康相談ができる看護師さんもいることを教えてもらい、「話せただけでも、なんだか、ちょっと安心できました。ありがとうございます。また相談に来ますね」と相談室を後にしました。