2021年8月の健康便り —健康—

エアコンで疲れた体を癒そう

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 大学1年生の山田明日香さんは、入学後、ほとんどの期間が緊急事態宣言下だったため、ほぼ家で過ごしていました。最近はオリンピックをテレビでダラダラと観ています。家でのエアコン設定温度は24℃。適切な室温とされる28℃よりかなり低めです。外は暑い日が続きます。部屋は涼しいのに、山田さんはだるくて仕方がありません。
 ビデオ通話で元気のない山田さんを画面越しに見た友人の小池英人さんは、「大丈夫か」と声をかけました。「夏バテしたみたいで。最近体がだるいの」と山田さん。「最近暑いからね。エアコンが効いているなら熱中症ではなさそうだけど、どうしたらいいか大学の看護師さんに聞いてみたら」小池さんに言われ、健康管理センターのモモセさんに電話をしてみました。

 夏バテとは倦怠感、食欲低下、下痢や便秘、のぼせ、頭痛など、夏の暑さに体が対応できず起こる症状のことをいいます。部屋を涼しくしていても夏バテになることも。原因と対策は以下のとおりです。症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。

<水分不足>
夏は汗をかいて体内の水分やミネラルが不足しがち。水分不足は血流が悪くなり、倦怠感や食欲不振などを引き起こす。
対策は、1日1~1.5ℓの水分補給。適度な塩分摂取は熱中症対策にも。
<栄養不足>
暑さによる食欲の低下、胃の働きの低下で栄養不足に。
対策は、タンパク質、ビタミン、ミネラルを含む食材を選び1日3食しっかり食べること。麺類には卵や肉、野菜、海藻などを添えて。冷たいものの摂りすぎに注意。食後は暖かい飲み物などで体を温めて。
<自律神経の乱れ>
外の暑さとエアコンによる冷えの繰り返しで自律神経の働きが追い付かず、食欲低下や頭痛などの症状が起こる。
対策は、適度な運動。血流が良くなり、自律神経の働きが整う。涼しい時間に行う定期的なジョギングやウォーキングは生活リズムができて効果的。就寝前のストレッチや意識的な早歩きなども自分のペースでできるので取り入れやすい。こまめに衣服を調節する、音楽などでリラックスするのもよい。
<睡眠不足>
睡眠は疲労回復にとても重要。不足すると自律神経も乱れやすい。
対策は、暑い夜にはエアコンを上手に使うこと。シャワー浴で済ませず、湯船につかりリラックスするのもお勧め。

 モモセさんに話を聞いた山田さんは「暑くてエアコンの温度を下げすぎていたな。自宅だと食べ物も適当になっちゃって。運動も心掛けなきゃ」と反省しました。その話を聞いた小池さんは「自宅で動画を見ながら運動するのがいいよ。お勧めの動画をスマホに送っておくね」と優しく声をかけました。